犬雑学シリーズ~1番賢い犬はボーダーコリーではない!最新の研究を紹介

最新の認知能力が最も高い犬種に関する研究で、全犬種の中で1番賢いと言われているボーダーコリーが2位という結果となりました。1位の座はベルジアンシェパード・マリノアに奪われることに。

今回の記事はこちらの英文記事を基にしています。犬に関する面白い研究があったので紹介です。

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今日の記事もぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

犬種の知能テストは簡単ではない

犬の知能を評価することは簡単なことではありません。知能と言ってもさまざまな種類があり、1つのテストで判断することができないからです。今回ご紹介する研究では1,002頭以上の犬が参加しました。犬の問題解決能力と手段、衝動制御、人の行動を理解する能力、記憶力等の多岐にわたる能力をテストしました。この研究の結果、いくつかのテストにおいて犬種による能力の違いが明らかになりました。

「ほとんどの犬種は、それぞれの長所と短所がありました」と、ヘルシンキ大学の犬認知学博士研究員で研究著者のサーラ・ジュンティラ氏はテレグラフに語りました。 「たとえば、ラブラドールレトリバーは人間のジェスチャーを読み取るのは得意でしたが、空間的な問題解決能力はあまり得意ではありませんでした。シェットランドシープドッグなどの一部の犬種は、ほぼすべてのテストで均等なスコアを獲得しました。」

ボーダーコリーが1位ではなかった

ボーダーコリーは、ほとんどのテストで高得点を獲得しました。しかし、今回行われたテストで39点中35点を獲得したベルジアンシェパード・マリノアはボーダーコリーの得点を9点上回る結果となりました。

日本ではまだ、ベルジアンシェパード・マリノアと言ってもピンとくる方は少ないかと思います。シェパードといえばジャーマンシェパードを思い浮かべる方が大半でしょう。この犬種は警察犬、警備犬として人気があります。匂いを嗅ぎ、捜査に協力することは、とても高い問題解決能力を有している証拠とも言えるでしょう。この犬種は、人間のジェスチャーを理解するテストで、最高の評価を受けました。

ただし、総合的にみて最高な評価を受けているとは言え、苦手なことがないわけではありません。ベルジアンシェパード・マリノアはジャーマンシェパードと同様、シリンダーテストで最も低い結果となりました。このテストでは不透明な中身が見えない筒の中からおやつを取り出すことを教えた後、筒を透明なものに置き換えるものです。不透明な筒では、筒の入り口部分からしかおやつが見えませんが、透明な筒ではどこからでもおやつが見えます。筒の入り口を理解していないとおやつが取れない仕組みとなっています。こちらの記事中央あたりの動画でシリンダーテストをご覧いただけます。

シリンダーテストでは、すぐにおやつを食べたいという衝動を制御し、筒の側面に回らなければいけません。犬の衝動を制御する能力が試されます。このテストの結果が低いということは、警備犬として何かにすぐに反応しなければいけないという、犬種の特性、役割と関係がある可能性があります。

まとめ

研究者たちは犬種によっては、特定の能力が優れている理由を説明できると結論付けています。実際、牧羊犬やレトリーバー種は人間と共に行う行動テストで高得点を獲得しました。しかし、全ての犬種を同様に説明することはできません。牧羊犬に分類されるフィニッシュ・ラップフンドは、人間が指示したタスクをこなすテストで残念な結果となりました。

また、テストに参加した犬が犬種の全てを代表するものではない等、研究に対するいくつかの注意点もあります。しかしその一方で、研究者たちはこの研究が犬種特有の行動、性格を理解するのに貢献すると信じています。研究を進めることで、ベルジアンシェパードにかわり、別の犬が、1番賢い犬と呼ばれるかもしれません。

この研究はScientific Reports に掲載されています。

今後も犬の雑学シリーズを発信

今回は犬雑学シリーズの第一弾!全犬種知能No.1と言われるボーダーコリーの座が奪われた、という内容でコラムを書きましたが、普段は犬のしつけ術や問題行動に関して情報発信しています。そちらも合わせて読んでいただければ幸いです。

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