保護犬の引き取りを検討中の方へ!預かりボランティアからの譲渡を知っていますか?

犬の殺処分が社会問題になり、環境が整えられてきたことで年々その数は減少傾向にあります。しかし、今でも日本全体で1日約11頭の犬が殺処分されているのが現実です。では殺処分されずに譲渡された数はどれくらいいるかご存知でしょうか?

驚く結果かもしれませんが、年間約15,000頭の犬が譲渡され命を救われているのです。1日あたり約41頭の犬が全国で助けられているという計算になります。もちろんこの数の中には、個人が引き受けたものだけでなく、保護犬を救う団体の数も含まれているはずです。

保護犬を引き取って一緒に生きていくことは簡単なことではありません。今記事は保護犬の引き取りを検討している方、また将来的に保護犬を引き取る可能性がある方に、保護犬の預かりボランティアという存在を知って欲しいと思い執筆しました。

※環境省発表の数字を参考にしています。より詳細なデータはこちらから。(環境省サイトのリンクです。)

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保護犬の預かりボランティアとは?

新しい飼い主が見つかるまでの一時的な預かり

簡単にまとめると、保護施設やNPOなどの団体が保護した犬を自宅で預かる、というボランティア活動です。1番の特徴は新しい飼い主が見つかるまで預かる、ということ。引き取って一生の面倒を見るのではなく、あくまでも一時的な預かりです。

犬の預かりの期間は、預かりボランティアを実施している団体によって差があります。1ヶ月や半年、1年と期間が定められている場合もあれば、次の飼い主が見つかるまで、と期間の定めが無いこともあります。次の飼い主が見つかるまで預かるというのが最も一般的です。

また、ボランティアをしている人たちの多くは自己負担で犬を保護しています。団体によって飼育に必要なドッグフード等の支援を行っていることもあります。

保護犬の預かりボランティアの役割・目的

保護犬として行政に保護された犬は、適切な表現では無いかもしれませんが、問題を抱えている犬が多いです。元は野犬だったり、しつけがされていない犬、噛み癖がある犬、人間慣れしていない犬、人間が怖い犬、、、など様々。こういった問題のせいで、引き取ってもらえない、もしくは1度引き取られてもまた保護されてしまう、ということもあります。

預かりボランティアでは、保護犬を預かっている間に少しずつ人間の社会で生きることに慣れさせていくことが期待されています。新しい飼い主が引き取るまでの間に、人間に慣れることや、場合によってはしつけなどの適切なトレーニングを行う必要もあります。

他にも、病気の可能性がある犬を一時的に預かり、治療をしながら新しい飼い主を探す、ということもあります。

保護犬ではなく、預かりボランティアから犬を引き取る

保護犬を引き取りたいけど決心がつかない

保護犬の引き取りを検討していても、なかなか引き受ける決心がつかないという人は多くいらっしゃいます。その理由として保護犬を引き取ってもうまく育てられるか不安、周りの人に噛み付いたらどうしよう、等々の不安要素があると思います。

保護犬に対して不安があり、引き受けることに抵抗があるのであれば、預かりボランティアから引き受けることを検討してみてください。もちろん、問題行動が全くないと断言できるものではありませんが、動物愛護センターや行政から直接引き受けるよりかはスムーズに新しい環境に慣れることができるでしょう。

預かりボランティアから引き受けるメリット

引き受ける側のメリットは、上記でも触れたように人間社会のルールをある程度知っていることが挙げられます。犬をお家に迎え入れたら比較的早い段階で、新しい環境に慣れることができるでしょう。犬によっては基本的なしつけをマスターしていることもあります。

ボランティア側にもメリットがあります。あくまでも一時的な預かりなので、新しい飼い主が見つからなければその分負担は大きくなります。経済的な負担はもちろん、日常の生活においても少なからず制約がかかっている場合もあります。ボランティアをされている方の中には、保護犬が新しい飼い主のもとへ引き取られたら、次の保護犬を預かる場合もあります。

保護犬の殺処分という社会問題を考えた時のメリットとして、預かりボランティアから犬を引き受けることで、ボランティアを管理している団体が、行政に保護された保護犬を殺処分される前に引き受けることができることです。ボランティアで引き受けることのできる犬の数には、当然上限があります。1家庭で複数頭預かっているケースもありますが、それでも全ての殺処分を待つ犬を引き受けることはできません。あなたが直接、保健所から引き取らなくとも、結果的に社会全体の殺処分を減らすことに繋がります。

預かりボランティアから犬を引き受ける手順

団体によって預かりボランティアから犬を引き受ける方法は少しずつ違います。詳細は、お住まいの地域にある団体へと問い合わせをお願いします。

譲渡までのおおまかな流れ

多くの団体で、譲渡の前に新しい飼い主候補の家庭訪問が行われます。元野犬や1度飼い主に捨てられてしまっている等、犬も精神的なトラウマを抱えているケースは珍しくありません。新しい飼い主のもとで幸せに暮らせるか、譲渡候補の家の広さや家庭状況をもとに判断されます。

本譲渡の前に数週間のトライアルが行われることもあります。犬と人間の相性もあるので、トライアル期間中に保護犬が幸せに暮らせるか、新しい飼い主のもとで問題なく暮らしていけるか見極めます。トライアルではなく、複数回の面談や一緒に散歩をして少しずつ新しい飼い主に慣れていく、という方法もあるようです。

譲渡の準備ができた犬は、団体のホームページで新しい飼い主の募集の告知があります。他にも保護犬の譲渡会が開かれることもあります。ドッグイベントに参加したことがある方は、犬の譲渡会ブースを見たことがある方も多いのではないでしょうか?

譲渡犬を引き受けるまでの費用

数万円程度かかるところが多いようです。多くの団体が1万円〜5万円の間におさまっています。これは犬を売って利益を出そう、という趣旨のものではありません。保護犬を保健所から引き取ってから、新しい飼い主の方へ引き継ぐまでのワクチン代や病院代、ドッグフード代等の諸経費の補填という意味合いです。

基本的には譲渡にあたり、利益を出してはいけない決まりになっているので、あまりに譲渡代金が高い場合は注意してください。

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