牧羊犬といえばボーダーコリー。知名度がかなり高く、飼っている人は少ないけれど人気のある犬種。トリミングサロンの看板写真に使われることも多く、”犬らしい”イメージが強い犬種。
今日はそんな”犬らしい”ボーダーコリーがなりやすい病気や疾患と、それぞれの治療にかかる費用をまとめました。
これからボーダーコリーを迎えることを考えている人、必見の内容となっています。すでにボーダーコリーを飼っている方も、今後の備えとして、知っていればいざという時でも安心ですね。
今日の記事もぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
全身性の疾患をざっくり解説すると、他の病気や疾患とグループ化できないような、言い換えればその他の疾患みたいなものです。そのため、この病気に気をつけて!とはなかなか一言では言い表せられません。具体的には下記のようなものが含まれます。
- タマネギ中毒/ネギ中毒
- その他の中毒性疾患
- レプトスピラ症
- 熱中症
- 外傷(挫傷/擦過傷/打撲)
- 事故(交通事故含む)
- 脱水(原因未定)
- 分離不安症
- etc…
犬のタマネギ中毒 治療費はどのくらい?
全身性疾患と言っても、内訳はかなりバラバラです。そこで今回は1例として、タマネギ中毒の治療費を紹介します。犬はネギ科以外にも食べられない野菜が多いのを知っていますか?何を食べたら犬にとって毒となるか、気になる方はこちらをチェックしてみてください。
タマネギ中毒の症状は、犬がタマネギを口にしてから1〜数日経過してから発症することが多いです。そのため、愛犬が誤ってタマネギを食べてしまっても、症状が出ていないから大丈夫、と1度安心してしまうケースも。また、中毒症状になるタマネギの量も、犬それぞれかなり差があります。1個食べても症状が出ない子もいれば、タマネギの入ったスープだけでも発症する子もいます。
今回はタマネギを誤飲して、すぐに処置した場合を例に治療費を紹介します。
多くの場合で催吐処置と言った、吐かせるための治療をします。検査料等と合わせて1万円〜3万円前後と病院によって差があります。高い場合で5万円程度することもあるようです。
タマネギ中毒は死に至る危険性もあります。症状が重篤な場合や、タマネギの誤飲から数日経って催吐処置が行い場合は、10万円を超える高額な治療費が必要となります。
皮膚疾患はボーダーコリーがかかりやすい疾患第2位ですが、全犬種平均と比べれば皮膚疾患にかかりにくい犬種です。実際にアトピー性皮膚炎は犬の平均の1/4程度の発症確率です。具体的な皮膚疾患の内訳を1部みてみましょう。
- アトピー性皮膚炎
- アレルギー性皮膚炎
- その他皮膚炎
- ノミ/マダニ等の外部寄生虫症
- 皮膚の痒み(原因不明)
- 爪の外傷
- 脂肪腫
- etc…
ボーダーコリーのアトピー性皮膚炎 治療費はどのくらい?
ズバリ!年間の治療費の中央値は約35,000円!一般的に1回あたりの治療費は2,000円〜6,000円とそこまで高額ではありません。ですが皮膚炎の治療では、病院に継続的に通う必要がある場合がほとんどです。
一方で犬のアレルギー性皮膚炎の年間治療費の中央値は約14,000円です。原因が特定できていれば、治療費は高額になることはあまりありません。原因がわからなければ、痒みや炎症を抑えるために継続的に通院する必要があります。
消化器疾患は全犬種平均では2番目に多い疾患です。ほとんど平均と同じ割合ではありますが、ボーダコリーを飼う場合は少し気をつけたほうが良いかもしれませんね。
- 下痢・嘔吐・腹痛
- 便秘
- 胃炎・腸炎・食道炎
- ヘルニア
- 腸閉塞
- 肛門嚢(腺)炎
- 誤飲
- etc…
腸閉塞の治療費にはいくらかかる?
手術で腸閉塞を治療した場合の平均的な負担は15万円〜20万円前後です。
腸閉塞は犬の病気の中でも比較的耳にすることが多いかと思います。実は腸閉塞は、放置すると数日で死亡する危険性のある症状です。便秘を併発すること多いので、3日便秘が続けば病院を受診してください。5日便秘が続いていると危険な状態の可能性が高いです。
犬の腸閉塞の主な症状は嘔吐、腹痛、そして便秘です。
腸閉塞を引き起こす原因として1番多いのは誤飲です。飼い主が全てを把握することができれば良いのですが、現実的に考えると不可能です。知らないうちに誤飲してしまっている可能性を考慮しなければいけません。
誤飲で病院を受診した際のケースも見ておきましょう。
誤飲の治療費はいくらかかる?
手術が必要な場合は、1回の治療で10万円を超えるケースが多いようです。おおよそ15万円前後はかかると考えておきましょう。誤飲したものの大きさ、内容等により手術が必要がどうかが分かれます。また、手術をする際は併せて、入院・通院も必要になってきます。
誤飲したものは、多くの場合で翌日には排泄されます。遅くとも2日後。排泄されていない場合は病院で検査をしましょう。
誤飲が多いのは1歳以下の子犬です。歳を重ねるごとに誤飲をする子の割合は減っていきます。
便秘の治療費にはいくらかかるの?
腸閉塞の兆候として便秘を伴うことが多く、またわかりやすい症状でもあります。便秘で病院を受診した際の治療費の負担も見ておきましょう。
犬の便秘の場合、原因を突き止めるために検査をする場合があります。レントゲン検査、もしくは超音波検査等、内容によりますが検査代が3,000円〜4,000円程度。加えて初診料、薬代がかかります。
便秘で病院で診察を受ける際の平均的な負担は5,000円〜7,000円/1回が一般的です。検査の結果、仮に便秘の原因が腸閉塞と判断されれば、治療費は大きく上がります。
先述した通り、ボーダーコリーはアトピー性皮膚炎、アレルギー性皮膚炎ともに他犬種よりも発症率は低いです。アトピー性皮膚炎は平均の約1/4、アレルギー性皮膚炎は約1/3程度です。
その他、ボーダーコリーが罹りにくい疾患を紹介していきます。
弁膜症
弁膜症は心臓の疾患です。弁の異常により、血液の流れが不安定になるために起こる症状。血液量や酸素のバランスが悪くなった結果、運動不耐性や食欲不振等の症状が見られるようになります。
一般的には加齢が原因で、シニア期以降の小型犬で起こりやすい病気と言われています。ボーダーコリーは全犬種平均と比較しておおよそ半分程度の確率で弁膜症を発症します。治療を受ける年齢の平均が12歳、シニア犬の中でも比較的高齢の犬が引き起こしやすい疾病と言えそうですね。
年間治療費の中央値は約6万円。
手術をすることはほとんどなく、飲み薬による治療が最も一般的な治療方法です。そのため飼い主さんが忘れずに薬を与えることが重要となってきます。また、加齢により発症するので具体的な予防をとることが難しい病気です。
爪の外傷
牧羊犬と言えばボーダーコリーを思い浮かべる人がほとんどではないでしょうか?それほどアクティブなイメージのあるボーダーコリー。実際日々の運動量もかなり必要で、1番アクティブなグループに入る犬種です。そのためか、爪の外傷は他犬種と比較しても約3倍程度の確率で起こっているようです。
爪が伸びているとその分、怪我をするリスクは高まります。トリマーさんだけでなく、動物病院でも爪のお手入れができます。動物病院では爪を切るだけでなく、犬の状態も併せて見てもらえるので、病院で切ってもらう事がおすすめ。1回500円〜1,000円程度と比較的安価なのでぜひ利用してみてください。
写真のモデルになりがちな犬、ボーダーコリーがなりやすい病気のまとめ記事でした。他にも人気犬種を中心に犬種ごとになりやすい病気を紹介しています。
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今回の記事はアニコムの家庭どうぶつ白書を参考にしています。各犬種ごとに、疾患別で請求割合の多いものが記載されているので、そのデータを基に、請求が多い症状・病気をかかりやすい病気としています。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます!ではっ。