大型犬の人気No.1 ゴールデンレトリバー。家族と仲良くでき、攻撃性が少なく、盲導犬として活躍できるほどの賢さを備え持つ犬種です。この性格のおかげで一般家庭でも飼いやすく人気の要因ともなっています。
では健康面でもゴールデンレトリバーは飼いやすい犬種なのでしょうか?
今記事では他犬種と比較してなりやすい病気と、なりにくい病気含め、おおよその治療費と併せて紹介していきます。すでにゴールデンレトリーバーを飼っている人も、これから飼うことを検討している人にとっても参考になる内容になっています。
今日の記事もぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
消化器疾患の代表的な症状は下記のようなものです。
- 下痢・嘔吐・腹痛
- 便秘
- 胃炎・腸炎・食道炎
- ヘルニア
- 腸閉塞
- 肛門嚢(腺)炎
- 誤飲
- etc…
腸閉塞の治療費は15万円前後
腸閉塞は手術を伴う治療をするケースが多いです。犬の治療費が高額になるかどうかは、手術の有無で変わります。手術で腸閉塞を治療した場合の平均的な負担は15万円〜20万円前後と言われています。
犬の腸閉塞の主な症状は嘔吐、腹痛、そして便秘です。
放置すると数日で死亡する危険性のある腸閉塞。便秘を併発すること多いので、3日便秘が続けば病院を受診してください。5日便秘が続いていると危険な状態の可能性が高いです。
また、腸閉塞の原因として1番多いのは誤飲です。誤飲したとわかった段階で、「便と一緒にいつか出てくるだろう」と楽観しないで病院を受診することをお勧めします。特にレトリーバーはその名前の通り、何かを持ってくることが大好きな犬種。何かをくわえたい衝動があるので、より注意が必要な犬種。
ゴールデンは本当に耳の疾患が多いので、これから飼う方、すでに飼っている方、耳のお手入れは欠かさずに行ってくださいね。参考までに、全犬種平均の耳の疾患の割合が15.6%なのに対して、ゴールデンレトリーバーは32.1%と倍以上の割合です。
- 中耳炎
- 外耳炎
- 内耳炎
- 耳血腫
- 耳の腫瘍/腫瘤
- etc…
特に気をつけたいのが耳血腫(じけっしゅ)
あまり聞きなれない病気だと思います。耳血腫の主な症状は、耳介が腫れ。目に見える兆候として、耳が腫れる前に耳を掻いたり頭を振ったりすることがあります。
場合によっては、痛みによりストレスでイライラして攻撃性が増したり、耳を触られることを避けたり、怒ることもあります。悪化すると耳が変形してしまうことさえあります。
平均的に7歳前後で発症することが、最も多いです。突然発症するのでなく、外耳炎や中耳炎などの耳のかゆみ・痛みで耳を掻いたりすることで、耳介の軟骨内で出血が起こることが原因と考えられています。
耳血腫の治療費はいくら?
通院1回あたりの治療費は約6,000円前後です。数回通院するケースが多く、年間の治療費は3万円前後。
頭を振ることが増えた、耳を痒そうにしているという兆候があれば、外耳炎や内耳炎を起こしているかもしれません。悪化する前に病院で行きましょう。
特にゴールデンは垂れ耳なため、耳の中が蒸れやすく、細菌が繁殖しやすい環境です。他の犬種以上に耳のケアが必要な犬種ということを忘れないようにしましょう。
皮膚疾患も他犬種平均の割合が25.6%に対し、ゴールデンは39.8%とかなりの高確率です。皮膚炎の中には日頃のお手入れである程度予防できることがあります。大型犬は小型犬よりも大きい分、毛の量も多く大変かもしれません。ですが怠ると、結局犬も人間もより大変な思いをしてしまう結果になります。
- 皮膚炎(アレルギー性・アトピー性含む)
- その他皮膚炎
- ノミ/マダニ等の外部寄生虫症
- 皮膚の痒み(原因不明)
- 爪の外傷
- 脂肪腫
- etc…
皮膚炎の治療費の目安
原因によって治療費にも幅があるのが皮膚炎です。
一般的にアトピー性皮膚炎の場合は、通院する回数も多くなり、その分治療費も増える傾向にあります。一方でアレルギ性皮膚炎の場合はアレルゲンを特定できれば、それを除去するだけで済みますので、治療費はそこまでかからないことが多いです。ただし、食事に制限がかかった場合は、治療費ではなく、食費の負担が増えることもあります。
アトピー性皮膚炎
1~3歳であらわれることが多いと言われています。季節の変化により症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すこともあれば、年中症状が発生する状態になることもあります。
場合によっては痒みから悪化し、耳血腫へとつながることもあります。治療の例として、炎症を抑える薬が3,000~10,000円/月程度と、病院によって幅があります。シャンプー、薬浴等を行うこともあります。
重度の場合週に1回のシャンプーが必要になるケースも。大型犬を毎週シャンプーするのはなかなか大変です。
腫瘍・腫瘤
悪性のものだと一般的にガンと呼ばれる腫瘍。悪性・良性含め、血管肉腫・その他のリンパ組織/造血組織の腫瘍、肝/胆道/膵の腫瘍、全身性の腫瘍、口腔内の腫瘍、皮膚の腫瘍はどれも平均よりも高い割合で発症しています。全てが7歳以上のシニア犬での発症が最も多いのも特徴です。
特に血管肉腫は平均の15倍程も高いので、ゴールデンは血管肉腫になりやすい犬種と言えそうです。
一般的にオスが発症しやすく、去勢・避妊手術をしている犬は、血管肉腫の発症リスクが高まると言われています。
血管肉腫は血液のガン。血液をめぐって全身に腫瘍ができる可能性があります。1回の手術で治ります、といった種類の病気ではないため、治療費はかなり高額になります。またどの程度の治療、どのような治療をするかによってもかなりの差が開きます。参考までに金額を載せますが、あまり当てにならないかもしれません。
年間の平均治療費は約23万円です。
弁膜症
弁膜症は心臓の疾患です。心臓の弁の異常により、血液の流れが不安定になるために起こる病気。血液量や酸素のバランスが悪くなった結果、運動不耐性や食欲不振等の症状が代表的です。
多くは加齢が原因で起こります。シニア期以降の小型犬で起こりやすい病のため、大型犬であるゴールデンの発症割合が低いのも納得ですね。10歳で発症することが最も多く、年間治療費の中央値は約5.5万円。
歯周病・歯肉炎
平均よりも低い割合ですが、歯周病になりくい犬種というわけではありません。飼い主さんが口腔ケアをしっかりしているだけかもしれません。レトリーバーの本能でおもちゃをくわえることが多く、歯のケアが知らず知らずできていることも考えられます。
いずれにせよ、高齢になる程発症率は高まっているので、歯のケアが大切だということがわかります。
年間の治療費の中央値は約2.6万円。デンタルケア用品を買った方が安く済みそうですね。
耳の疾患、皮膚の疾患が特に他犬種と比べてずば抜けて割合が高いゴールデンレトリーバー。全てとは言いませんが、日頃のケアである程度は予防や緩和が期待できます。
大型犬と大変かもしれませんが、楽しんでケアできるように、子犬の頃からしっかりとコミュニケーションをとっていきたいですね。
今回の記事はアニコムの家庭どうぶつ白書を参考にしています。各犬種ごとに、疾患別で請求割合の多いものが記載されているので、そのデータを基に、請求が多い症状・病気をかかりやすい病気としています。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます!ではっ。