アイコンタクトで愛犬の注意力をコントロールしよう!

キーポイント
  • ”こっち見て”等の合図によって犬の視線をコントロールするスキルはトレーニング中に犬の注意を引くのに最適な方法。
  • アイコンタクトの合図は、気が散る環境の中であなたに意識を集中させたい場合に有効。
  • 名前を呼ぶことでアイコンタクトをさせるのではなく合図、コマンドでアイコンタクトできるようになる。

犬の注意を引くことは、特にまだしつけがされていない犬にとって、今後のあらゆるしつけやトレーニングをする上での最初のステップとなります。愛犬があなたのことを見ていなければ、犬は残念ながらあなたの言うことを聞いていないかもしれません。どのように犬の注意をあなたに向けるのか、特に犬の気を散らすものが周りにある環境でどうすれば良いのでしょうか?

あなたを見るための合図を教えましょう。”こっち見て”、”見て”、”集中”、”ウォッチミー(Watch Me)”など合図はなんでも良いです。が、名前を呼ぶことがアイコンタクトの合図というのは私はオススメしません。ただし、名前を呼んでアイコンタクトをするように指導しているドッグトレーナーが多いことも事実です。すでに通っているドッグスクールがあれば、そこの方針に沿ってトレーニングを続けてください。

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今日の記事もぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

アイコンタクトはなぜ必要か?

愛犬にこれから何をするのかを伝えるための準備

”見て”のようなアイコンタクトの合図のより、愛犬の注意を飼い主がコントロールできるようになります。今後のトレーニングを効率的に進めるために、早い段階でアイコンタクトの合図を教えることが望ましいです。特に今まで紹介してきたような、おやつで犬の行動を誘導するトレーニングにおいて、犬の注意を引くことはトレーニングの成功率を高めてくれます。

犬の注意を引くことは、しつけやトリックを教えるときだけでなく、日常生活においても重要です。例えば散歩中に他の犬や人とすれ違う時に吠えてしまう犬にとって、注意を飼い主に向ける合図というのはとても役に立ちます。自転車を追いかけてしまう犬の場合は、対処物である自転車から飼い主であるあなたに注意を向けさせるようにしましょう。

たまにアイコンタクトに恐怖を覚える犬もいる

全ての犬にとってアイコンタクトが必須のスキルではない、ということを覚えていてください。じっと見つめられることに恐怖を覚えてしまう犬もいます。このような性格の犬の場合、知らない人に見つめられて恐怖から防衛行動を取ろうと威嚇をしてしまう場合があります。愛犬にアイコンタクトを教えることでストレスに慣れる、和らげる効果も期待できます。

反対に、アイコンタクトが大好きな犬ももちろん多くいます。研究によると飼い主の目を見ることで「オキシトシン」という、幸せホルモンがとも呼ばれるホルモンが分泌されることがわかっています。愛犬との絆を強くするためにもアイコンタクトを取ることを日頃から意識してみてください。

愛犬にアイコンタクトを教える方法

アイコンタクトを教える簡単な方法は、おやつを使って犬の視線をあなたの目に持ってくることです。気をつけるポイントは、静かな部屋で行うこと!他に犬の注意を引くようなものがなければ、部屋の中で1番興味深いものは飼い主であるあなたとなっているはずです。あなた以外に興味を引くものがない環境が望ましいです。

  1. おやつを愛犬の鼻の前で持ちます。
  2. ゆっくりとおやつをあなたの目と目の間まで持ち上げます。おやつに釣られてあなたのおでこあたりに視線が来ているはずです。
  3. クリッカーを使って視線が正しいところへ来た瞬間をマークします。クリッカーがなければそれにかわる言葉でok! おやつをあげてください。
  4. 慣れてきたら、視線を誘導するのに使っている手とは別の手からおやつをあげるようにしてください。
  5. ①〜③をおやつを持たずに行います。アイコンタクトができたらおやつをあげてください。この段階で犬はハンドサインでアイコンタクトができるようになっています。
  6. ハンドサインでアイコンタクトができるようになったら”こっち見て”等の言葉による合図の出番です。合図を出してからハンドサインで犬の視線を誘導しましょう。

他のしつけやトリックのトレーニング同様、言葉による合図を出すのは最後の段階です。言葉はあくまでも合図。行動を教えることをまず先に行い、マスターしてから、合図と行動を結びつるようにしてください。

実践的な環境でアインコンタクトを教える

ここからがアイコンタクトの本番

これでようやく、本格的なトレーニングをする準備が整いました。

本番はここからです。愛犬が自ら選択してあなたの目を見るようにしていきましょう。選択とはあなたの目を見るのか、おやつを見るのか、という選択です。おやつを手に入れるには、おやつではなく飼い主を見なければいけないことを理解させていきます。

  1. おやつを愛犬の鼻に当てて、ゆっくりとあなたの体の横へ移動させていきます。犬は、おやつを見続けるかあなたの目を見るかを自ら決めなければいけません。おやつではなく、あなたの目を見るまで待ちます。
  2. 待っていれば最終的に、犬はあなたの目を見ます。その瞬間をクリッカーを使ってマーク!おやつをあげます。
  3. 数回繰り返せば、愛犬はルールを理解し始めます。アイコンタクトをする時間を少しずつ伸ばしていきます。
  4. おやつではなくあなたを見ることが習慣付いてきたら、言葉による合図を教える段階です。先ほどと同じアイコンタクトの合図を出してからおやつを体の横へ持ってきます。

おやつではなく、おもちゃを使ってトレーニングをすることもできます。愛犬が好きなおもちゃを用意して、アイコンタクトの合図を練習してみましょう。

練習のし過ぎには要注意!愛犬を観察しましょう

また冒頭で触れた通り、犬の中には目が合うことに不快感を感じたり、恐怖を感じる子もいます。こういった子たちはアイコンタクトを理解するのに時間がかかる場合が多いです。ですが根気よくトレーニングしてあげてください。犬があなたの目からあえて目をそらしていることがあるかもしれません。しかし、無視されているわけではないので安心してください。

もしかしたら、「飼い主さん、ちょっと落ち着いてくださいな」という合図かもしれません。トレーニングに集中しすぎて威圧感を与えている可能性もあります。休憩を取り、愛犬と一緒にリラックスして明るい気分になれたら練習再開してください。

成功率を高めて、いざという時に備えよう

いつでも愛犬とアイコンタクトをできるようになるのがゴールです

室内の静かな環境でアイコンタクトの合図を守れるようになれば、もっと気が散る環境でのトレーニングです。チャンスがあればいつでも練習できる段階。ただしうまくいかない時、例えば散歩中はアイコンタクトできないな、と思えば、何度もアイコンタクトさせようと合図を出さないでください。

代わりに成功率が高い環境での練習を増やしましょう。アイコンタクトができた時にご褒美のおやつではなく、何かトリックをさせることも良いエクササイズとなります。愛犬があなたの目を見ることを、周りにあるもの以上に興味を持つようにできれば、アイコンタクトの指示を出さなくとも、愛犬があなたを観察し、楽しい出来事が起きないか期待するようになります。

アイコンタクトの指示があれば次に楽しいことが起きるはず

アイコンタクトの指示の後には何か良いことがある、と犬が理解すれば、その後の指示やコマンドは聞いてもらいやすくなります。アイコンタクトの練習をする前と後で、”おすわり”の成功率が格段に上がることに驚く方はとても多いです。飼い主のいうことを聞くと良いことがある、という信頼関係が築き上げられた証拠です。

アイコンタクトができるようになると陥りがちなのが、アイコンタクトをすることが当たり前と考えてしまうことです。犬はあなたに何かを期待し、もしくはあなたに関心を持ちながらあなたを見ています。飼い主の目を見ても何も起こらない状態が長く続けば、愛犬の関心はあなたから離れていってしまうでしょう。常に愛犬にとって飼い主の行動が気になる存在でいてあげてください。

今日のまとめ

・アイコンタクトのためのコマンド(合図)を決めた方が良い

・愛犬が注意を払う方向を飼い主がコントロールできるようになる

・今後のトレーニングが入りやすくなる

・問題行動を起こすトリガーとなるものから、飼い主に注意を戻す時にも役立つ

・アイコンタクトの指示があれば良いことがある、と犬が期待するように心がける

他にも犬のしつけに関する情報を発信しています。愛犬の問題行動にお困りの方、子犬を迎えたばかりの方の参考になれば幸いです。

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今日も最後までお読みいただきありがとうございます!ではっ。