飼い主を悩ませる愛犬の問題行動~車追いを叱らずにやめさせる方法

スピードを出して走る車を見て、犬の獲物を追いかける本能が刺激されてしまいます。車の走行音や動きが気になり、車に向かって走り出してしまう場合もあります。なぜ特定の犬種は車追いをしてしまうのでしょうか?どうのようなトレーニングで、犬の車追いをやめさせられるのかを解説します。

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なぜ犬は車追いをするのか?

犬種の本能による自然な行動

ボーダーコリー等の特定の犬種は特に車追いの本能や癖がつきやすい犬種です。ボーダーコリーに限らず、牧羊犬は好奇心が強く、物事を注意深く観察する本能が強いので、顕著にこの特性が現れます。他にもテリア系やハウンド系も車追いをしやすい血統です。もちろん車に限らず、自転車や他の小動物など、動いているもの全てを追いかけようとする衝動があります。どんな犬種を飼っていたとしても、車追いは飼い主にとってはなかなか大変な行動です。それだけでなく、犬と人間の命にも関わる問題行動となりかねません。

車追いによる犬と人間への危険性

中型犬・大型犬は特に車追いのリスクは高い

いつ走り出すのか予想がつかない犬は、犬自身だけでなく飼い主や他の人に危害を加える危険性があります。リードをつけていない時に車追いをしてしまったり、リードをつけていても突然走り出した弾みに、飼い主の手からリードが外れてしまえば、大事故や最悪のケースでは死亡することすらあります。特に大型犬・中型犬の場合はその危険性は現実に起こりうるものと考えていなければいけません。

人に直接危害が出る場合も

車追いをする犬は、自転車やバイク、走っている人も追いかけようとするケースが多いです。はじめは車にだけ反応していても、時間の経過とともに早く動くものは全て追いかける対象となる可能性があります。走っている人や自転車を追いかける犬は、追いついた時に、対象の人間を噛もうとする危険性があることを覚えておいてください。

犬と人間の安全第一で行動

伸縮リード、ロングリードは使わない

愛犬とどんなことをするにしても、常に安全第一で考えなければいけません。安全において、特にリードの扱いは重要です。もしあなたの愛犬が車追いをする傾向があるのであれば、リードは常につけておきましょう。

車の通行の多い道、車道と歩道が分かれていない道を歩く際は短いリードを使用することをオススメしています。犬種にもよりますが、散歩トレーニングも兼ねる場合は120cm前後~長くとも180cmのもので十分です。伸縮タイプのものは使わない方が良いでしょう。肩から掛けられる下記タイプのものがオススメ。ハンズフリーで両手が自由になるため、犬のコントロールが容易になります。

愛犬と車道との距離を十分に保つ

性格、環境によって必要な距離は違う

車と犬との距離が近いほど、車追いをしやすい傾向があります。犬を問題行動のきっかけとなる対象から、十分な距離を取ることが大切です。車追いのケースであれば、車との距離ということですね。距離が十分にあれば犬は飼い主に集中することができます。車と近すぎれば、犬は飼い主よりも車に気を取られてしまうでしょう。

どれくらい車と距離を取れば良いのでしょうか?残念ながら、必要な距離は犬によってまちまちです。車道と歩道と分かれているだけで十分、という子もいます。犬によっては最初は駐車場や、車道からは離れた場所で練習が必要な子もいます。

車追いを直すのに叱る必要はない

車を見た時の犬の反応を変える

前述したように、車追いというのは犬の自然な行動です。そのため本能による行動を抑えて新しい行動を教えるというのは難しい場合があります。

車追いによってイライラしたり、時には恐怖を感じることもあるかもしれません。ですが、車追いをしたことに対して罰を与える必要はありません。罰を与えることで、追いかける行動を抑えることはできます。しかしできたとしても、行動を抑えられるだけで、車を追いかけたいという衝動を変えることはできません。その結果、予期しないタイミングで車追いをしてしまうことになるでしょう。

車追いをしなくなるトレーニング方法

準備するもの

  • 180cm以下のリード
  • たくさんの小さなおやつ(ご褒美用)
  • クリッカー(なくとも可。あればトレーニングが効率的)

トレーニング方法

  1. 車の交通が少なく、愛犬が車ではなく飼い主に集中できる場所でトレーニング。他に犬の気を引くものがない環境が望ましいです。車が通り過ぎるたびにおやつをあげます。クリッカーを使う場合はおやつをあげる前、車が通り過ぎたらクリック!
  2. 何度か続けることで、多くの犬は車が通り過ぎればおやつがもらえることを理解します。車が通り過ぎれば、おやつを期待して飼い主の顔を見るようになります。車が通り過ぎるとあなたを見る、ということを習慣化していき、車を見たら追いかけるのではなく、あなたの顔を見たいと思わせるようにします。
  3. 車が通り過ぎたらあなたの顔を見る、ということができるようになったら少しずつ、車との距離を近づけて練習しましょう。もちろんおやつをあげることをお忘れなく!

ポイントは、犬が車を追いかけたいけど怒られるから我慢する、という状態ではなく、車が通り過ぎたら飼い主を見たい(おやつを貰いたい)という状態へと気持ちを変化させていくことです。

トレーニングがうまくいかない時

うまくいかない原因の多くは、通り過ぎる車との距離が近すぎることです。道路との距離を十分に取れる場所を探してトレーニングをしましょう。車が通り過ぎたらクリックしておやつをあげ、あなたの顔を見ることができたら、より多くのおやつをあげるようにしましょう。

自転車追いや、走っている人を追いかけるのをやめさせる場合も同じ方法でトレーニングできます。自転車が通り過ぎるたびに、クリック&ご褒美を繰り返すようにするだけです。

繰り返しトレーニングすることが肝心

前述した通り、動いているものを追いかけることは、犬の自然な行動です。そのため、車追いをやめさせるトレーニングは時間と根気のいる作業となるかもしれません。加えて、車を追いかける行動を何度も何度も繰り返してしまうと、その行動をやめさせるのにはより多くの時間が必要となってしまいます。車追い、自転車追いが気になり始めたらすぐに、トレーニングを開始することが理想です。しつけトレーニングを始めるのに遅すぎることはありません。車追いに悩んでいるのであれば、今日の夜の散歩からトレーニングを始めましょう!

今日のまとめ

・車追い、自転車追いは代表的な問題行動

・本能による行動なのでなおすのは難しい

・命の関わる場面もあるので車追いは必ずやめさせたほうが良い

・叱ってやめさせるのではなく、車を見た時の反応を変えるようトレーニング

問題行動のなおし方だけでなく、基本のしつけ方法や便利グッズ等を紹介しています。理想は問題行動が身につく前に、理想的な振る舞いを犬に教えてあげること!一度身についた行動を強制するのは大変です。はじめから良い行動を教えてあげるのが1番楽です。犬のしつけに困っている方の参考になれば幸いです。

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今日も最後までお読みいただきありがとうございます!ではっ。