あなたもやっている?飼い主の悪習慣が犬に与える影響

家のチャイムが鳴ると吠えてしまう犬はとても多いです。飼い主が叱ったり、吠えるのを止めさせようとするとさらに吠えてしまう。そんな経験はありませんか?この問題を抱えているのはあなただけではありません。多くの飼い主がこの問題行動をなおしたいと思いつつ、簡単に改善できないと悩むものです。チャイムが鳴ると吠えて飼い主が叱る、よくあるシチュエーションですが残念ながら、犬はなぜ自分が怒られているかわかっていない場合がほとんどです。

さらに悪いことに、叱ったことで次にチャイムが鳴った時にあなたの犬はより吠えるようになるかもしれません。もちろん飼い主をイライラさせるために吠えているわけではありません。チャイムが鳴ったら吠えるという、問題行動が知らず知らずのうちに習慣化されていることが原因です。そのため、何がきっかけで問題行動を習慣化させてしまったかを理解することが大切です。

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犬の行動の強化と習慣化

問題行動は特定の行動が知らないうちに習慣化されている

繰り返し行った行動や、おやつなどを使って特定の行動の強化付けをすると、犬はその行動をより繰り返し行うようになります。例えば、おやつを使って”おすわり”をトレーニングしていると、おやつや合図がなくとも犬が自分から”おすわり”をするようになる、といった具合です。

トレーニングというのは、何度も繰り返すことと、おやつを使った行動の強化の両方を取り入れて行うことが望ましいです。ですが、行動の強化というのはトレーニング以外の場面で、知らないうちに行われている場合があるので注意が必要です。例えば、冒頭のチャイムの例の場合、チャイムがなって飼い主が何かしらの反応[吠えることを叱る等]-をすることが、犬の吠えるという行動を強化してしまっている可能性があります。犬は飼い主が何をいっているか理解していません。理解していることは、犬が吠えたら飼い主も喋ってくれて、他の人も遊びに来る、と楽しいゲームの始まりの合図ということだけです。”おすわり”をしておやつをもらうよりも、よっぽど楽しいご褒美のように感じているはずです。そうなると、より強く印象に残り、繰り返しその行動を行う可能性は高まります。

これが知らず知らず問題行動を習慣化させてしまうサイクルの始まりです。

行動が強化されているのはなぜ?

強化されている行動と理由は把握する

特定の行動が強化されているのかどうかを知っていることは大切なことです。つまり、その行動をどれくらいの頻度で行なっているかということです。その行動を日課のように毎日行なっていればいるほど、当然ですがその行動を繰り返す習慣はより強く根付いていきます。

そのため基本のしつけやトリック、ドッグスポーツを教えるときには、簡単にできる範囲で成功体験をたくさん積むことが大切です。行動の強化というのは飼い主が望んでいない行動まで強化してしまい習慣化する可能性があることも忘れてはいけません。どんな行動が強化されているか、また何がきっかけとなっているかを把握する必要があります。

習慣化された行動を犬は自主的に行うようになる

犬としつけトレーニングをしているときに考えてほしいことがあります。それは、どの行動が強化され習慣化されているか、ということです。例えば多くの犬は、誰かがおやつを持っていると”おすわり”をします。ですが犬は”おすわり”をしたくて座っている、というよりもこの行動が強化され習慣化されているから座っていると言えるでしょう。

どんな行動にしても、飼い主が良いと思う行動、理想的な振る舞いを意図的に強化することができるということを覚えておいてください。

意図しないうちに悪習慣も習慣化させている

習慣化は良い行動だけでなく悪い行動にも起こる

残念なことに、私たちが理想とする行動以外の行動も強化されている場合もあります。先ほどのチャイムの例では、犬が吠えることで飼い主の注意を引くことができたため、行動が強化されていっています。もちろん飼い主が意図したものではないはずですが、結果的に犬としては注意を引くことで成功体験を得ています。犬は人間が思っている以上に賢い動物です。小さなことでもすぐに学び、望まない行動でもすぐに習慣化してしまいます。

犬の悪い行動が習慣化してしまう例

意図しないうちに、望ましくない行動を強化してしまっている例を紹介します。あなた夕食を食べていて、愛犬がずっと足元にいる、場合によってはずっとおねだりをすることに困っているとします。キッチンにまで付いてきているかもしれません。ご飯がとても美味しそうな匂いをしている、というのも1つの理由でしょう。しかし、1番の原因はあなたがご飯を作っている時や食べている時に、少しだけご飯を犬に与えてしまったことです。こうすることで、あなたがご飯を食べている時や作っている時に、足元にいることが良いこととしてその行動が強化されてしまっているのです。

飛びつきも悪い行動が強化され続けた結果の問題行動

意図しない行動の強化の例がもう1つあります。それは犬がジャンプしたり飛びついてしまうこと。上記の例より犬の飛びつきに困っている人の方が多いかもしれませんね。小型犬であれば大したことないかもしれませんが、中型犬・大型犬であれば飛びつきは本当に困ります。

子犬の頃に、犬が飛んだり跳ねたりしてあなたのもとへ来るのはとても可愛らしいですよね。ですが飛びつくたびにあなたが喜ぶことで、犬は飛び跳ねれば飼い主の注意を引けると学んでいきます。もちろん飛びつきを気にしないということであれば構いません。ですが将来的に大きくなった時に、飛びつきを止めさせたいと思ったら、子犬の時期から習慣化させないことが大切です。具体的な方法は、犬が飛びつてきても犬に注意も関心も向けないだけ。叱る必要もありません。本当にそれだけで飛びつかない子へと成長します。

愛犬に望ましい行動を教え習慣化させよう

新しい行動を何度も練習して習慣化させる

望ましくない行動をやめさせたい時-チャイムが鳴ると吠える等-は、今まで意図しないうちに強化され続けた行動をやめさせるという作業です。そのためにはまず、愛犬にあなたが望む行動を教え、練習する必要があります。習慣化された行動を変えるために、その行動を犬が行う前の準備が重要になってきます。

もしあなたが、意図しない間に愛犬の悪い行動を習慣化させていることに気がついたら、別の良い行動を教えるチャンスにしましょう。そしてその行動を強化して習慣化させることが、問題行動の1番確実な解決方法です。そのためには犬の行動より先に、飼い主が行動を起こさなければいけません。

具体的な犬の吠えぐせのなおし方

チャイムがなった時に吠えるのをやめさせる代わりに別の行動、例えばチャイムがなったらクッションに座る、という行動を教えるとします。チャイムがなったら、お気に入りのおやつを使ってクッションまで誘導しておすわりをさせます。できたらおやつをあげるようにしてください。クッションではなくとも特定の場所で構いません。

たくさん練習すればするほど、その行動は強化され習慣化していきます。もちろんチャイムが鳴ったら吠える、という行動以外にも、望ましくない行動を変える時も同様です。飼い主の望ましいと思う行動を教えて何度も練習してください。また、チャイムの例で言えば、子犬の時からお客さんが来ていなくともチャイムを鳴らして、音に慣れさせるというのも有効な方法です。社会化の時期に多くの音を聴かせたり、見せたりするのも、こういった問題行動を起こしにくい自信を持った子に育てるためでもあります。

今日のまとめ

・チャイムを例に問題行動の習慣化を解説

・問題行動を直すためには、別の望ましい行動を習慣化させること

・習慣化は良い行動、悪い行動どちらにも起こること

・日頃からどの行動が習慣化しているか、させてしまったか意識しているとしつけが楽になる

今回の記事では犬の問題行動のなおし方にフォーカスを当てました。理想としては、問題行動が起こる前に良い行動を習慣化させておくことが大切です。特に、チャイムに反応して吠えることや、飛びつきは犬の問題行動として、とても多い悩みです。子犬の頃から、こういった問題行動が起こらないようにしつけトレーニングをすることが大切だと考えています。

他にもしつけトレーニング方法や、便利グッズを紹介しているので是非他の記事も読んでいただけたら嬉しいです。

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