お腹を見せる”へそ天”実は危険信号!?勘違いされがちな犬のボディランゲージを解説

キーポイント
  • 犬のボディランゲージを理解することは、愛犬とのコミュニケーションにおいて重要
  • 犬は、姿勢や顔の表情、その他のボディランゲージを使ってコミュニケーションをとっている
  • ボディランゲージを理解することは飼い主としての責任

まず最初に、犬のボディランゲージは人間の行動はかなり違う、ということを強調しておきます。犬のコミュニケーションは鳴き声や唸り声、吠える、といった方法が多いため、犬の鳴き声が何を意味しているのかを知ることは重要です。しかしそれ以上に、言語以外のコミュニケーション方法、つまりボディランゲージで犬は多くのことを伝えようとしています。

人間が普段行わないボディランゲージを、犬が行うこともあります。代表的なものは尻尾によるコミュニケーションですね。人間にはそもそも尻尾がないですから。人間が行う動作、例えばあくびや、目をそらすという行動は犬も同様に行います。しかし人間が行う場合と犬が行ない場合では意味が違うものもあります。飼い主と愛犬、より良いコミュニケーションを取るために、犬のボディランゲージを知るきっかけになれば幸いです。

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犬が尻尾を振るのにはどんな意味がある?

犬のボディランゲージと聞けば、尻尾を想像するほど代表的な部位ですね。

飼い主A
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尻尾を振っていれば犬は幸せの証でしょ?

残念ながら間違いです。多くの人が誤解している尻尾を振る意味。それは犬が興奮していることを知らせるサインです。楽しいことに興奮しているのかもしれませんが、イライラや別の何かによって興奮状態にある可能性もあります。犬の感情を読み取るためには、尻尾の位置だけでなく尻尾を振る速度と位置を見ます。

尻尾は犬が興奮しているサイン!

想像の通りかと思いますが、基本的に尻尾を振る速度が早ければ早いほど犬は興奮している状態と言えます。犬が他犬や人に挨拶する時を想像してください。ゆっくりと尻尾を振っていればリラックスしている状態ですね。早い尻尾の振りはそれだけ興奮しているのか、警戒している可能性も考えられます。

尻尾を振る方向を気にしたことはありますか?実は研究によって、どういった状況で尻尾をどの方向に振るのか、というのは分かっています。犬がポジティブな感情の時は右方向に強く振る傾向にあります。反対に、ネガティブな感情の時は左方向に強く振ります。円を描くように尻尾を振る犬の姿をよく見かけるかと思います。それは犬が幸せの証拠!愛犬が飼い主に挨拶する時に、特によく見られる行動です。

尻尾の位置から犬の感情を読み取る

最後に、尻尾の位置と感情についてです。基本的に犬の尻尾が高い位置にあればあるほど、自信や積極性の表れとなります。尻尾が地面に垂れていたり、後ろ足の間に挟まっている時は恐怖やストレスを冠している状態です。尻尾をピンと上に立てている時は自身の表れだけでなく、場合によっては攻撃的になっているサインともなります。犬に尻尾が自然な位置にあれば、リラックスしている状態です。ですが、尻尾の自然な状態というのは犬種によってまちまち。柴犬を代表とする和犬は、上にカールしている状態が自然な状態ですが、イタリアングレイハウンドのような犬種はとても低い位置が自然な状態です。

犬の毛が総毛立っていたら興奮のサイン

総毛立つ状態というのは、肩から背中、もしくは尻尾に至るまでの毛が立っている状態です。これは明らかに犬が興奮状態にあるサインです。ですが必ずしも悪い意味だけではありません。犬が怒っていたりストレスを感じていることもあれば、何かに興味を持って興奮している可能性もあります。犬の毛が総毛立つのは人間の鳥肌のような、本人の意思とは関係なく起こる反応です。

姿勢から読み取る危険信号

お腹を見せる姿勢は要注意?!

犬の姿勢の意味を理解すれば、犬が発するサインを見逃さずに済みます。頭を下げて縮こまっている姿勢は恐怖やストレスのサインであり、何かから逃げようとしたいのかもしれません。敵意の無い表れでもあります。犬が仰向けでおへそが見えている状態も敵意の無い表れです。ですがここで注意したいことが1つ。飼い主など親しい人に向けて仰向けになる分には問題ないのですが、知らない犬にこの動きをした時は要注意。恐怖やストレスから、敵意がないことを示すために仰向けになっているかもしれません。上手に遊んでいるように見えて、愛犬は相当なストレス下にいる可能性があります。

わかりやすいからこそ、よく観察するべし

反対に、体重を前足に乗せて少し前のめりになっている姿勢の意味を考えてみましょう。犬が何かに近づこうとしている姿勢です。この姿勢は単に何かに興味を持っているだけかもしれません。しかし、攻撃的な意思表示の可能性も考えなくてはいけません。尻尾の章でも触れたように、尻尾を高くあげて小刻みに動かしているなど、他のボディランゲージと組み合わせて犬の状態を判断しましょう。

犬の姿勢は他のボディランゲージと比較してわかりやすいことが特徴です。体全体を使っているので姿勢の変化は一目瞭然。[プレイバウ]とも呼ばれる、お尻を上げて前屈みになる姿勢は犬が他犬や人と遊びたい時にする姿勢です。飼い主にとって最も馴染みの深いボディランゲージの1つかと思います。

犬の表情から何を読み取る?

飼い主があくびを見せれば犬が安心する!?

犬は人間と同じような顔の特徴をしています。ですが表現方法まで同じというわけではありません。あくびを例に考えてみましょう。人間は疲れたり退屈な時にあくびをしますが、犬はストレスを感じるとあくびをします。犬はあくびをすることで自分自身を落ち着かせようとしたり、飼い主や周りの人を落ち着かせようとしています。動物病院など犬が緊張する場面では、飼い主があくびしているところを愛犬に見せることで、愛犬を落ち着かせることが期待できます。また、犬も人間と同じように人のあくびがうつります。あなたのあくびを見て愛犬もつられてあくびをする、というのはよくあることです。

誤解されがちな唇を舐める意味

犬が唇を舐める動作も、よく誤解されているボディランゲージの1つです。これはお腹が空いているサインではありません。人間と同様に、ご飯を食べた後に唇を舐めることもありますが、不安を感じている時にもこの行動をします。飼い主の顔を舐めたい、というわけでもありません。現在の環境に何かしらの不満を感じている可能性があります。

犬の笑顔は時にとてもトリッキーなものです。慣れている犬の場合はすぐに笑顔かどうかの判別はつくかと思います。しかし見慣れない犬種の場合は勝手が違うかもしれません。歯を見せて笑う子もいますが、犬は威嚇する時にも歯を見せます。他のボディランゲージと組み合わせてみれば、犬が威嚇しているのか笑顔なのか判別できますが、表情だけだと非常にわかり辛い子もいます。

犬は喋らず目で語る!

「目は口ほどに物を言う」は犬には人間以上に当てはまります。まぶたが緩んで犬が目を細めている時は落ち着いている、もしくは幸せであることのサインです。反対に目に力が入っている時は、ネガティブな精神状態のサインです何かを守ろうとしていたり、攻撃的になっている可能性があります。

目を逸らすことは悪いことじゃない

アイコンタクトは犬と人間のコミュニケーションを取る上で欠かせない行動です。ですが、犬の世界では凝視することは攻撃的なサインともなります。反対に、目を離すことは敵意の無さを示すためや、状況を落ち着かせるサインとしても使われます。犬はストレスがかかっている環境だと、明らかに目を逸らしアイコンタクトを避けようとします。飼い主は時々、愛犬がアイコンタクトをしないことを、無視している、頑固だ、と解釈することがありますが、多くの場合は不快感の表明で目を逸らしています

今日のまとめ

上記までに紹介したボディランゲージは通常、1つのみで犬の感情を読み取ることはありません。犬とコミュニケーションを取る際は体の姿勢から目線まで総合的に見て判断します。あなたの愛犬は言葉は喋れなくとも、ボディランゲージで常に飼い主にサインを発しています。犬の言葉を理解すれば、あなたも犬も快適で幸せな生活を送る助けとなるはずです。また、問題行動を事前に予防することにもつながります。愛犬の状態を知るためにも、日頃のコミュニケーションの中で愛犬をよく観察してみましょう。

他にも犬のストレスの原因になる行動や、クリッカーを使ったしつけ術を中心に情報発信しています。問題行動が習慣化する前に、適切なしつけトレーニングの方法を知っていただく参考になれば幸いです。

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今日も最後までお読みいただきありがとうございます!ではっ。