今回の記事はアメリカンケネルクラブの公式サイトによる、”お座り”の教え方の記事と私の経験をもとに作成しております。こちらにアメリカンケネルクラブの記事のリンクを貼っておきます。(全て英語なので興味のある方はgoogleの翻訳機能等を使ってください。)
”お座り”は子犬をお家に向かい入れて、1番初めに教える方も多いはず。ここで間違った教え方や褒め方をしてしまうと今後のトレーニングにも影響が出る可能性もあります。それでは”おすわり”の教え方を丁寧に紹介していきます。
今日の記事もぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。
おすわりを教えるのにあると便利なアイテム
”おすわり”の教え方として最も一般的な方法は、おやつを使った誘導とご褒美のトレーニングです。
もし今後も”おすわり”だけでなく、”伏せ”や”待て等”をしっかりと教えたいという方はクリッカーを使うことがおすすめ。クリッカーは犬が”おすわり”がしっかりとできた瞬間を犬に伝えるのに役立ちます。
500円前後と比較的安価で買えるので買って損はないと思います。
愛犬が”おすわり”トレーニングに集中できる環境を用意
トレーニングを確実に成功させるためには、できるだけ気を散らすものがない環境をつくってください。犬が興奮状態の時よりもリラックスしているときにトレーニングをするのが良いです。
- 犬が立っている状態でおやつを鼻に当てます。
- おやつを上方向にゆっくりと持ち上げます。犬が頭を持ち上げて鼻でおやつを追うと、お尻が地面につくはずです。おやつを真上にあげるよりかは犬の頭めがけていくイメージ。
- 犬のおしりが床についたら、すぐに褒めてご褒美のおやつをあげます。クリッカーをお持ちの方はお尻がついたらすぐにクリック!
- 犬をもう一度立たせるために、飼い主が少し移動するか数メートル離れたところにおやつを投げます。その後①〜③を繰り返します。
- 犬がしっかりと手の中おやつを追いかけて座る体勢ができるようになったら、おやつを無くしていく段階です。手の中におやつを持たず今までと同じ動きをしてください。”おすわり”の姿勢ができたら、おすわりを誘導した手とは別の手からおやつをあげます。
- 最後にようやく”おすわり”と声で指示を出す段階です。おやつを持たず、手の動きだけでおすわりができるようになったら、手を動かす直前に”おすわり”と合図を出します。繰り返すことで愛犬は、手の動きがなくとも”おすわり”という声の指示だけで反応できるようになります。
ポイントはおやつをゆっくり動かすこと!
犬のトレーニングにクリッカーがあった方が良い理由
一言でまとめると、正しい行いができたことを犬に伝えるため、です。良い行いができたら”クリック”。”クリック”の後にご褒美がもらえる。クリッカーを使う場合はクリックの後にご褒美をあげるようにしてください。新しいことを教える時に愛犬が成功した瞬間、クリックすることで愛犬がどんな行動でご褒美がもらえるか理解できるようになります。
”良し”、”良い子”、”はい”など言葉でも代用できます。が、言葉で褒める時と望ましい行動をとった時や新しいことを教える時のクリッカーは別の方が良いです。
愛犬に”おすわり”を教えるのにやってはいけないこと
手で犬のお尻を押して座らせようとすること。これは多くの飼い主さんがやってしまうですが、やらない方が絶対に良いです。理由はいくつかあります。
1つは犬の性格によっては押されることに対抗して、反対に立とうと力を入れてしまうこと。もしくはお尻を押されることで飼い主と遊ぶ時間だと感違うしてしまうこと。
他にもお尻を押すことで犬が混乱してしまうというのも理由の1つです。おやつをもらえてもそれが”おすわり”というアクションをしたご褒美としてもらえた。それを犬が認識できなければ残念ながらあなたの愛犬が”おすわり”をできるようになるのは時間がかかるかもしれません。
愛犬が”おすわり”している間におやつをあげる
犬が”おすわり”の姿勢を覚えるために、座っている姿勢の間におやつをあげるようにしてください。ご褒美をあげるためにおやつを探している間に、犬が立ってしまったりすることがあるかもしれません。しかし、この時におやつをあげてしまうと、”一度お尻を床につけて立ち上がる”までの動作が”おすわり”と誤認識させてしまいます。
愛犬がなかなか”おすわり”のポジジョンに来ない場合、こちらの方法を試してみてください。
愛犬が寝ている姿勢から教える”おすわり”
寝ている姿勢や伏せの姿勢、床に横たわっている姿勢等、低い姿勢から”おすわり”の姿勢まで誘導する方法です。犬が横になっている時におやつを鼻に当てて、頭が上がるまでゆっくりとおやつを上げます。おすわりの姿勢になったらしっかり褒めておやつをあげます。
上記の方法でもうまくいかない場合
細かくステップを分けていきましょう。
寝ている状態から頭を上げたら、褒めておやつをあげます。次は胸が床から離れたらおやつ、そしてお座りの姿勢になったらおやつ。
多くの場合、最初の6ステップ、もしくは横たわっている姿勢からの教え方で”おすわり”ができるはずです。
犬にご褒美をあげる時は、基本的に褒めてからあげるように徹底しましょう!
6ステップの方法で”おすわり”のトレーニングを行った後、愛犬が指示なしでも座っている瞬間があるはずです。もし愛犬が1人で座っていたら褒めたり、ご褒美のおやつをあげるようにしましょう。
しばらく上記のことを続けると、愛犬はご褒美をもらうためにあなたの前で”おすわり”をしに来ることがあります。その場合は、犬が座る前に”おすわり”と言葉による合図を出すのも良いです。
そもそも習慣化とはどういう状態か
習慣化とは飼い主からの指示がない時に犬がとる行動のことです。何も指示がないからと愛犬が家の中を走り回ったりするのではなく、”おすわり”の姿勢でいる時間が増えたら良いと思いませんか?犬が自発的に”おすわり”の姿勢でいることを選択する、これが”おすわり”の習慣化です。
愛犬が自らおすわりをした時にはいつでも褒めてあげることが習慣化に大切です。
犬が近づいてきて座ったら、ご褒美をあげましょう。あなたが愛犬のご飯を用意している間、愛犬が座っていたらご褒美をあげましょう。それぞれの状況で、最初は犬に”おすわり”の指示を出す必要があるかもしれません。ですが、繰り返すうちに犬は自分で座るようになります。
犬が自発的に座ることを当たり前だと思わないでください。おやつではなくともおもちゃをあげたり、ただ褒めるだけでも良いです。できる限り犬をほめ、ご褒美をあげるようにしてください。やがて、愛犬は報酬を得ることを期待して、何かが欲しいときはいつでも座るようになります。それは愛犬の「お願いします」という表現方法になります。
犬がお座りをマスターしたら、”ベッグ”というトリックを教えることができます。上記の写真のように、犬が前足を空中に上げておしりに座っている姿勢です。
とってもかわいくて、トレーニングもしやすいです。写真映えも良い万能ポジションです。
中級編!5ステップ”ベッグ”の教え方
- まずは愛犬に”おすわり”をさせます。
- 座った姿勢からおやつを愛犬の鼻に当ててゆっくりと持ち上げます。愛犬はおやつに釣られて立ち上がります。前足が地面から離れたらすぐに褒めておやつを与えます。(クリッカーがあれば足が離れたらクリック!)
- ステップ②を繰り返します。ですが今回はおやつを高くして、ご褒美を与える前に犬がさらに高いポジションにくるようにします。犬が適切な座り姿勢に達するまで、おやつの位置を高くしていきます。
- おやつ無しで上記ステップを繰り返します。”おすわり”の教え方と同じ要領です。手だけでポジションに誘導して犬がきれいに座ったら、引き続きご褒美をあげましょう。。
- 手の動きに犬がついてくるようになったら、手の合図を出す前に”ベッグ”と声での合図を出すようにします。続けることで、犬は声での合図だけでも反応するようになります。
犬がバランスをとるのに苦労している場合
犬が自分自身でバランスを取れるようになるまで、飼い主の腕を支えとして使います。犬が前足を上げた時に、飼い主の腕でその前足を支えてあげてください。
”おすわり”ができるようになればすぐに、”ベッグ”のような可愛いトリックもできるようになります。
なぜアメリカンケネルクラブ?
なぜジャパンケネルクラブ(以下JKC)ではなくアメリカンケネルクラブ(以下AKC)を参考にしているか。理由は日本よりもアメリカの方が犬のトレーニング、しつけが体系的にまとまっているからです。誤解を恐れずに言えば、アメリカ人の方が日本人よりも犬のしつけに積極的です。
実際に日本とアメリカを比較すると、アメリカの方が中型犬、大型犬の割合が多いです。中・大型犬はしっかりとしたしつけなしでは家庭で一緒に生活するのは大変ですよね。もちろん日本の小型犬がしつけられていない、という意味ではありません。比較してアメリカの方がしつけやトレーニング方法が体系的にまとまっているというだけです。
・6ステップで”おすわり”の教え方を紹介
・クリッカーがあった方が新しいことを教えやすい
・ポイントは褒めて教えること
・おやつは褒めた後にあげる
・おすわりから”ベッグ”トリックに発展
おすわりは”伏せ”、”まて”等のしつけにもつながる基礎中の基礎です。そして多くの飼い主さんが犬に与える合図の中で1番多いものかもしれません。
”おすわり”を教えるというよりも、新しいことの教え方の流れとして今回のステップを覚えていただければ幸いです。このステップに沿って教えることで他のトリックも教えやすいはずです。
おすわりができるようになったら次は”ふせ”。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます!ではっ。