犬を叱らない叱り方って何?正しく伝える「ダメ」のしつけ方

プードルの写真

いつまで経っても問題行動が改善されない?
愛犬とのコミュニケーションがうまく取れない?

その原因、叱り方に原因があるかもしれません。

犬は人間のように言葉を話すことができません。なので人間が犬の気持ちを汲み取るには、行動や表情をよく観察する必要があります。反対に、犬は全てではないですが、人間の言葉をある程度理解できるだけの知能があります。もちろん、会話を全て理解できるというわけではなく、特定の単語の意味をわかっている、といった程度。例えば”おやつ”や”お散歩”の意味を多くの犬が理解しているはずです。

ではなぜ、言葉を理解できるはずの犬の問題行動が改善されなかったり、コミュニケーションがうまくいかないのでしょうか?残念ながら飼い主の叱り方に原因がある可能性があります。

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今日の記事もぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

間違った犬の叱り方の例

問題行動が改善されない、叱っても同じことを繰り返す、ということは飼い主が発している「ダメだよ」「いけないことだよ」というメッセージが愛犬に伝わっていない状況です。

場合によっては、犬にとっては「よくやったね」「えらいよ」と褒められてる思っていることさえあります。褒められてると思っていればその問題行動は改善されるどころか、よりエスカレートしてしまうかもしれませんね。

ではどういった行動をすることで「ダメだよ」というメッセージが、犬にとって「えらいよ」と伝わっているのでしょうか?

ついつい間違った叱り方をやっていませんか?

  1. 名前を呼んで注意する
  2. 大きな声で注意する
  3. 注意の仕方がバラバラ
  4. 飼い主の気分で問題行動を許容してしまう時がある
  5. 叱る時に飼い主が過剰に反応している

1つずつ順番に解説していきます。

やってしまいがちな間違った叱り方TOP5

愛犬の名前を呼んで注意する

1番やりがちな間違った叱り方であり、叱る時以外のコミュニケーションにまで悪影響を及ぼしてしまう方法です。犬は最初、自分の名前が呼ばれたら良いことが起きると認識しているはずです。例えばご飯がもらえる時や、散歩に行く時、飼い主が構ってくれる時に名前を呼ばれると認識していることがほとんど。

名前を呼んで注意することのデメリットは2つあります。1つは名前を呼ばれたことで犬は良い行動をしている、と勘違いしてしまうこと。犬は良いことをしていると思っていれば、問題行動が改善されるわけもありませんね。2つ目は、何度も問題行動に対して名前を呼んで注意することで、名前を呼ばれたら悪いことが起きる、と認識が変わってしまうこと。

名前を呼べれることに対してマイナスの感情を持ってしまうと、普段のコミュニケーションにも悪影響が大きく出ます。叱る時に名前を呼ぶのはやめましょう。

大きな声で注意する

犬は人間の通常の声と、叱っている時の声の違いを理解できます。しかし毎回大きな声で叱っていれば、犬にとってはただの騒音にしか聞こえていないかもしれません。あるいは、怒鳴ることで犬が興奮したり、ストレスで問題行動を助長する可能性も考えられます。無関心だった飼い主に構ってもらえる、と喜ぶことすらあります。

落ち着いた声で、明確にシンプルなコマンドを使用することが大切です。大きな声は、本当に緊急の時にとっておきましょう。

注意の仕方がバラバラ

「だめ」「コラッ」「No!」など、叱り方は人それぞれで良いかと思います。犬はいくつもの言葉の意味を理解することができるので、必ずしも叱り方がバラバラなことは良くない事とは言い切れません。

ですが、問題行動を改善したい場合、明確に1つの言葉をコマンドとして教えることがより有効的です。特に子犬の場合は、いくつもの言葉を理解するよりも1つのコマンドの方が理解しやすいでしょう。

飼い主の気分で問題行動を許容してしまう時がある

例えば、吠える、という行動を例にしてみましょう。散歩中、他の人が誰もいないところで吠えたら、可愛いから褒める。もしくは迷惑にならないので注意しない。でも家の中で吠えたら叱る、となると犬からすると、どんな行動で叱られているのか理解できません。

スリッパを噛む行動に対しても同様です。ある時は叱るけど別の時には飼い主と一緒に引っ張りっこする、となれば、叱る行動により、むしろ信頼関係が崩れてしまう恐れがあります。

叱る時に飼い主が過剰に反応している

叱る時に飼い主の反応が1番大きい=1番喜んでいる、と勘違いさせてしまうかもしれません。飼い主はあくまでも冷静に。「怒る」のではなく、「叱る」というのを意識しましょう。

感情をぶつけるのではなく、犬に正しい行動、良くない行動を教えるということがしつけの基本です。

犬を叱らない叱り方とは?

犬はあなたが思っている以上に、人間の言葉や行動を理解できる動物です。

叱るということの目的は、原因となった行動をやめさせる事にあるはずです。問題行動をやめさせる方法の1つとして”叱る”という手段をとっているわけですね。もしその問題行動をやめさせる目的がなく叱っているのであれば、それはしつけではなくただ飼い主の怒りをぶつけているだけとなってしまいます。

本当に叱ることが問題行動をやめさせる手段として正しい?

昔は犬のしつけに対して、いわゆる”体罰”が一般的に行われている時代がありました。ですが今は体罰でしつけをすることは間違った方法として認識されています。同様に、叱ることが問題行動を改善するしつけ方法として正しいのか考える必要があるのではないでしょうか。

正しい方法で犬の問題行動をなおすためには、下記のような方法が叱るよりも効果的です。

  • そもそも叱る原因を取り除く
  • 無視する
  • 叱る「合図」を統一する
  • 飼い主が一貫して、ダメなことはダメと教える
  • 犬がよくない行動を理解したらほめる

叱らないしつけ方の具体的な方法

そもそも叱る原因を取り除く

叱るということは、愛犬が何かしら望ましくない行動をした時に行うものです。スリッパで遊ぶにしても家具を噛むことにしても、そもそも犬の手が届くところになければその行動を取る事はありません。

全ての問題行動に言えることではありませんが、可能な限り問題行動の原因は取り除きましょう。そうすることで叱る必要がなくなります。

無視する

愛犬の問題行動の中には、飼い主にかまって欲しくて行うものもあります。わかりやすいもので言えば”要求吠え”があります。吠えることに対して叱っても、犬にとっては構ってもらうという目的は達成できています。また、飼い主の足や手を甘噛みすることも同様です。

こういった行動に対しては無視して何の反応もしないこと、つまり叱らないことが有効的です。場合によっては飼い主が他の部屋に移動して、吠える/噛むと犬にとって嬉しくないことが起きる、と伝えることも良いかもしれません。

叱る「合図」を統一する

ダメなことを伝えるコマンドを決めるとも言えます。”おすわり”や”まて”同様、合図を出したらその行動をやめさせるトレーニングだと考えてください。

靴下を噛みはじめたら「ダメ」と合図を出す。飛びつこうとしても「ダメ」と合図を出す。”おすわり”のトレーニングのように、愛犬が問題行動をやめられたらしっかりと褒めてご褒美をあげてください。飼い主の「ダメ」の指示に従っても意味がない、それよりも靴下を噛んでいた方が楽しい、となればコマンドを無視するようになってしまいます。

飼い主が一貫して、ダメなことはダメと教える

望ましくない行動を見かけたら、必ず毎回注意をしてください。少し面倒かもしれませんが、犬を飼う以上しつけは飼い主の責任です。

先ほども例に出した通り、ある時は吠えることに対して叱るけど、別の場面では許容するというのは良くありません。もし、許容するのであれば、その行動に対してもコマンドを決めるようにしてください。「吠えろ」の合図で吠える。ただしそれ以外に吠えたら叱る、とすれば一貫性があり犬もわかりやすいです。

犬がよくない行動を理解したらほめる

注意をして犬がその行動をやめたら、必ず褒めてください。「ダメ」の合図でリードの引っ張りをやめたとします。褒めなければ、犬は正しい行いをしたかどうかが分からないため、また引っ張るかもしれません。引っ張りをやめてすぐに褒めれば、犬はその行動が正しいとわかり、更にご褒美があれば喜んで飼い主の合図を聞くようになります。

注意をして言う事を聞く、そのことに対して報酬がなければ、飼い主の合図を聞かない方が犬にとっては楽しいとなってしまいます。どんな時でも飼い主の合図を聞くことができたら褒めることを忘れないようにしましょう。

今日のまとめ

・叱る時は犬の名前を呼ばない

・間違ったことをしても過剰な反応をしない

・無視する方が良い時がある

・悪い行動をやめたらご褒美

叱る際にやってはいけないこと、やったほうが良いことを1度に全て覚えるのは大変です。なのでまずは上の4つから意識して、少しずつ改善していきましょう。

しつけ教室に通わせても、結局は飼い主との過ごし方次第です。犬と人間、違う生き物とだということを忘れずに上手に楽しく生活できるよう心がけていきたいですね!

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今日も最後までお読みいただきありがとうございます!ではっ。