犬を呼んでもこない!?”おいで”の教え方と呼び戻しの重要度

キーポイント
  • 理想的な呼び戻しとは、犬を呼んだ時に常に戻ってくること。
  • “追いかけっこ”や”かくれんぼ”は遊びながらできる上に、効果的なトレーニング方法。
  • ”呼び戻し”に取り組むには忍耐力、練習、積極性が重要。

”おいで”と呼んでいるのにうちの愛犬が戻ってこない、、。そんな経験がある方も多いかと思います。いつもは呼べば戻ってくるけど、愛犬が遊びに夢中だと無視される。

愛犬が”おいで”に反応しなくなったら日々の習慣に原因が潜んでいるかも?毎日数分でできる”おいで”の遊びトレーニングを紹介!”おいで”は”待て”と並んで必ず覚えたいことです。すでにできている犬にとって、成功率をあげるためのポイントもまとめています。

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今日の記事もぜひ最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

理想的な呼び戻し”おいで”とはどういうもの?

”おいで”と呼べばいつでも何をしてても愛犬が戻ってくる

犬を家庭犬として育てる上で1番重要なスキルの1つが呼び戻しです。”おいで”や”こい”と決められた合図で飼い主の戻ってくる行動のこと。しかし教えるのがとても難しいスキルでもあります。

犬にとって毎日の生活は興味、関心が刺激されることばかり。飼い主が呼び戻しの合図を出すたびに、今している遊びをやめたり、関心があるもののそばを離れることは簡単ではありません。

犬が何もしていない時に呼べば来るけど、遊んでいる時は戻ってこない。そんな犬も多いかと思います。実用的な呼び戻しとはどんな時でも呼び戻しの指示を出せば戻ってくるものでなければ意味がありません。そのため、実用的な呼び戻しは飼い主の近くに戻ることが、犬にとって1番楽しいこと、と犬に教える必要があります。

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飼い主のもとへ戻る事が何かの罰や嫌なこと、と犬に認識させてはいけません。

犬にとっても呼び戻しのトレーニングは重要

”呼び戻し”は場合によっては怪我や命に関わる状況を防ぐスキルです。犬が怪我をするシチュエーションは散歩中が最多という統計があります。交通事故を防ぐためにも呼べば飼い主のもとへ戻ることは重要です。もちろん犬はロボットではないので絶対に飼い主に従順であるという保証はありません。だからこそ確実にできるようにしたいトレーニングの1つです。

また、ドッグランのような場所でリードから外したい場合にも”呼び戻し”は必要なスキルです。もちろん帰宅させるためだけに呼び戻しが必要ということではありません。他の犬とトラブルになりそうな時、ヒートアップしすぎている時に、犬が今やっていることをやめなければいけない。こうようなシチュエーションで呼べば戻ってくる事が”実用的な呼び戻し”です。

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”おいで”の指示に対して犬が戻りたい時だけ戻ってくる状態は”実用的な呼び戻し”ではありません。

呼び戻しの教え方!”おいで”で戻ってくる犬を育てる

”呼び戻し”を教えるにあたって重要なことは、犬にとってトレーニングがゲームになることです。しつけを始めたばかりの時期は、家の中など気を散らすものが少ない環境でトレーニングをするのが良いです。

シンプルな呼び戻しトレーニング方法

まず、犬におもちゃやおやつを見せます。あなたのもとへ近づいてきたら、褒めてからご褒美をあげましょう。これを数回繰り返します。その後犬があなたを見て、あなたに向かって動き始めたら、”呼び戻し”の合図に使う言葉を使います。例えば”おいで”や”来い”といった言葉、一度決めたら変えないことが基本です。ただし、犬があなたに向かってきていると飼い主であるあなたが確信を持った時のみ、言葉による合図を出してください。

トレーニングに慣れてきてから、言葉による合図を使います。”おいで”等の合図を出した後に、ご褒美を犬に見せるようにします。ここでのポイントは2つだけ。

  • ご褒美を少し良いものを与える(例:クッキーから肉のおやつに変える等)
  • 少しずつ犬との距離をあけて、遠くから合図を出すようにする

”おいで”や “来い”という合図と、飼い主のもとへ行くという行動、ご褒美の3つが繋がっていることを犬に刷り込んでいく段階です。

ワンポイントアドバイス

トレーニングを始める1番初期の段階で”おいで”を連呼しないようにしましょう。犬にとって”おいで”が意味のない言葉、と誤認させてしまう可能性を防ぐためです。

呼び戻し訓練を遊びとして教える方法

毎日の散歩中にできる犬のしつけ術

”追いかけっこ”は犬と散歩している時にいつでもできる簡単な遊びです。犬の注意があなたに向いているときに振り返って走り出す。これが追いかけっこ遊びです。愛犬があなたと一緒に動く時に”おいで”等の決めた合図を出してください。数メートル進んだら立ち止まり、ご褒美のおやつをあげましょう。

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走り始める前に愛犬があなたに注意を払っているか確認してください。犬が気づかずに走り始めるとリードで首がしまってしまいます。

毎日家で過ごす中に取り入れるしつけ術

愛犬が呼び戻しトレーニングに慣れてきたら”かくれんぼ”の時間です。別の部屋から愛犬を呼ぶことで犬は飼い主であるあなたを探し、あなたのところへ行く、という習慣がつきます。愛犬があなたのもとへ来れたらいつも以上に褒めて、たくさんのご褒美をあげてください。

”ご褒美のおやつをたくさんあげて甘やかしてはだめ”なんて昔は言われていました。が、ご褒美と甘やかしは違うものです。難しいこと、大切なことができた時にはしっかりとご褒美をあげてください。そうすることで犬にとっても大切な事が理解できます。ご褒美は甘やかしではなく、コミュニケーション手段です。

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飼い主も一緒に楽しみながら”かくれんぼ”トレーニング

家族や友人と一緒に遊びながらできるしつけ術

2人以上の時にできる遊びを紹介します。これは私が1番好きな遊びでもあります。

やり方は簡単。人間同士が離れたところに立ち、決めた合図”おいで”等で愛犬を呼びます。ちゃんと来たら褒めてご褒美をあげましょう。可能であれば少しずつ2人の距離を離していき、遠くから呼ぶ練習もすると良いです。

ワンポイントアドバイス

呼び戻しのしつけをする際は、他のトレーニングよりも豪華な報酬をあげるようにしましょう!

単純におやつの量を増やしてあげるだけでも良いし、1番お気に入りのおやつを与えるのも有効です。”おいで”は他のコマンドと比べても重要度が格段に高いです。犬にもわかる形でそれを伝えてあげましょう。

間違った呼び戻し方が犬を混乱させる

犬が嫌なことをするときに”おいで”はダメです

1番やりがちでやってはいけないこと。それは”おいで”と呼び戻して、犬にとって嫌なことをすることです。例えばドッグランから帰る時に呼び戻したらリードをつけてすぐに帰ること。もっと身近な例だと、”おいで”と呼び戻して捕まえてハウスに入れてしまうようなことも犬にとっては嫌なことです。

これを繰り返してしまうと”おいで”という呼び戻すための合図をせっかく教えても、その合図が”楽しい時間の終わり”を伝えるための合図に変わってしまいます。一度”おいで”=”楽しい時間の終わり”と認識してしまうと、将来的に愛犬を呼んでも来ない、という事態につながります。犬にとっての合図の認識度にもよりますが、1度”楽しい時間お終わり”の合図と認識してしまうと、呼び戻しに使う合図は新しいものを決め直した方が良いケースもあります。

こうならないために、普段から何かの遊びの途中に呼び戻すことを習慣化することをオススメしています。ただし、犬にとっては遊びを中断することは簡単ではありません。なので呼び戻しができたらいつも以上に褒めてご褒美をあげてください。そして褒め終えたら、犬が先ほどまでしていた遊びを再開させてください。これで犬は飼い主のもとへ、遊びの途中で戻っても、また遊べることを認識します。

愛犬を何度も何度も呼ぶことはうまくいっていないサインかも

「おいで!〇〇おいで!おいでーー!」

と何度も愛犬を呼んではいませんか?残念ながらこれはうまくいっていないサインかもしれません。

呼び戻しの訓練をしたはずなのに呼んでもこない、原因は大きく2つ考えられます。1つは犬にとってその合図と行動が結びついていない場合。このケースであれば安心してください。この記事内で紹介しているトレーニング方法をすることで合図と行動、ご褒美が結びつくはずです。

もう1つのケース、それは”おいで”の合図が犬にとってネガティブな意味を持ってしまっていること。先ほど紹介したような、”楽しい時間の終わり”という意味になっている可能性があります。もしくは”これから怒られる時間”と認識している場合も考えられます。この場合は別の呼び戻しの合図を決めて、呼び戻しのしつけをやり直すことが1番早いです。

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呼び戻しに限らず、同じ指示を何度も繰り返すのはやめましょう。犬の中で指示の重要度が下がっていきます。何度も指示を出さなければいけない原因は常に①指示と行動が結びついていない②指示がネガティブな行動と結びついている、の2つに大別できます。

愛犬が”おいで”で来ない時に確認したいチェックリスト

合図を繰り返さない!
繰り返さなければいけない場合は環境が犬の集中を妨げているかもしれません。もしくはその練習方法がまだ犬にってレベルが高いかもしれません。

罰を与えない!
飼い主のもとへ戻ってきた時に愛犬を叱ることのないようにしてください。例え、あなたのもとへ戻ってくるのに時間がかかってイライラすることがあっても、褒めるようにしましょう!

ご褒美は奮発!
呼び戻しトレーニングでは、あなたの犬にとって価値の高いおやつやおもちゃを用意してください。他のトレーニングに使うご褒美と差別化することで需要度を高めます。

毎日練習!
難易度をゆっくりと上げていきましょう。急に難易度が上がると犬が対応するのが難しくなります。

緊急時に犬を追いかけない!
追いかけることで犬にとって「ゲーム」と誤認させてしまいます。代わりに犬から逃げてながら”おいで”等の呼び戻しの合図を使ってください。犬が逃げるのではなく、追いかける「ゲーム」だと思わせましょう。

今日のまとめ

・呼び戻しは合図を出せばいつでも犬が来なければ意味がない!

・飼い主のもとへ行けば必ず良いことがある、と愛犬に認識させる!

・しつけは犬と遊びながらやった方が人間も楽しい!

・ご褒美はいつもより良いものを使う!

・少しずつ何度をあげて毎日トレーニング!

本当の緊急時として、”クリッカー”を鳴らす、という裏技もあります。これは普段からクリッカーを使ってしつけをしていないと使えません。が、クリッカーがご褒美の合図と認識している子は、クリック音でご褒美をもらいに飼い主のもとへ戻ってくる癖がついているはず。

愛犬とのコミュニケーションツールとしてもクリッカーはおすすめのアイテムです。

他にも犬のしつけ・問題行動のなおしかたを発信しています。直したい行動があれば参考にしていただけると嬉しいです。

当記事はアメリカンケネルクラブの情報を参考にしています。他にもAKCを参考にしたアメリカ式のしつけ方法を発信しています。愛犬の問題行動等で悩んでいる方の参考になれば幸いです。

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今日も最後までお読みいただきありがとうございます!ではっ。