飼い主を不快にさせる犬の行動というのはいくつかあります。泥の中で転がったり、お尻を舐めたりするのは、ほとんどの犬が1回は経験するものです。ですが、愛犬がうんちを食べてしまうことほど、ゾッとする行動は他にないでしょう。実際、うんちを食べることが理由で犬を手放す人もいるほどです。
犬がうんちを食べるのには何かしらの理由があります。もしあなたの愛犬がうんちを食べてしまっても絶望する必要はありません。うんちを食べる習慣をやめさせる方法があります。
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犬がうんちを食べることについて、あまり多くは研究されていませんが、全くないというわけでもありません。実際、犬がうんちを食べることは比較的、よくある行動ということもわかっています。
2012年にアメリカ獣医動物行動学会でカリフォルニア大学ベンジャミン・ハート博士が発表した内容を一部紹介します。
- 16%の犬が5回以上、うんちを食べたことがある。(約6頭に1頭)
- 24%の犬が少なくとも1回はうんちを食べたことがある。(約4頭に1頭)
犬の本能による行動
この研究では約3,000人の犬の飼い主に調査を行いました。犬がうんちを食べることは人間からすると嫌悪感しかありませんが、犬にとっては必ずしも悪いことばかりとは言い切れません。犬の祖先は、落ちているものを漁ることでご飯を探していました。そのため、地面に落ちている新鮮なものを食べる習慣がDNAに刻まれているのです。ある動物行動学者は、うんちを食べることは、飢餓に対応するために進化した生存行動の1つである可能性があると述べています。つまり、犬がうんちを食べることは本能による、自然な行動ということです。
うさぎのように、動物の中にはうんちを食べることは、栄養を摂取する上でとても自然な行動である場合があります。実際に、もしうさぎがうんちを食べるのを無理にやめさせると、健康上の問題や子ウサギが成長しなくなることもあります。
特に子犬がうんちを食べるのはよくあること
飼い主の皆さん、安心してください。犬はうんちから栄養を取らなければ健康問題を引き起こす、という動物ではありません。ですがそれでも、犬がうんちを食べる行動はとても自然的な行動であることには変わりありません。
母犬は子犬が生まれてからの約3週間、子犬を舐めて排泄を促し、うんちを食べることできれいに保つ習性があります。子犬は自然のこの行動を学び、自分のうんちを食べることがあります。他の犬や、場合によっては猫などの他の動物のうんちを食べることもあります。馬やガチョウの分を特に好む傾向がある犬もいます。自分自身のうんちを食べる分には、健康上の害はありません。ですが他の動物のうんちの場合、寄生虫やウイルスが含まれていれば問題になります。
子犬は成長とともにうんちを食べなくなる
もし今、あなたの子犬がうんちを食べてしまうことがあっても安心してくだい。ほとんどの場合、子犬が9ヶ月になる前までにうんちを食べることは無くなります。
基本的に心配する必要はありません。子犬が成長する過程で、世界について学んでいる中での行動の1つです。匂いを嗅ぐだけで満足する子もいれば、なんでも口の中に入れたい衝動を持っている子犬もいます。人間の赤ちゃんもなんでも口に入れる子がいますが、その行動と基本的に同じと考えてください。
犬のうんちに関する研究まとめ
他にも2012年の研究で発表されたことをまとめます。
- 犬がうんちを食べる行動は、多頭飼いの家でより多く起きてる。1頭の家では20%の犬がうんちを食べていることに対し、3頭の犬を飼っている家庭では33%という結果が判明。
- うんちを食べる犬のしつけが他の犬より難しい、というわけではない。
- 雌犬は雄犬よりもうんちを食べる傾向がある。
- うんちを食べる犬のうち92%は”新鮮なうんち”以外は食べない。
- うんちを食べる犬のうち85%は自分のうんちは食べず、他の犬のうんちのみ食べる。
- 食いしん坊はうんちを食べる傾向が強い。
最後に犬のうんちの雑学を1つ。犬は硬いうんち以外はほとんど食べることはないそうです。
場合によっては動物病院で相談した方が良いでしょう。下記のことを確認してください。
- 寄生虫
- 食事に十分な栄養とカロリーが含まれているか。
- 吸収不良症候群を引き起こしていないか。
- 糖尿病、甲状腺疾患、その他食欲増進を引き起こす可能性のある症状
精神的要因で犬がうんちを食べることがある
多くの場合、環境の変化やストレス、きっかけとなる何かが影響してうんちを食べてしまっています。下記が考えられる要因です。
- 孤独:研究によると、1人でケージで過ごす犬は、人間が周りにいる場合と比べて犬を食べる傾向がある。
- 狭い空間:狭い空間で過ごす時間が長すぎるとうんちを食べる傾向がある。施設・ドッグシェルターで長い時間を過ごした犬にうんちを食べる習慣があるのは珍しいことではない。
- 不安:罰を与えたり、厳しいしつけをした結果、うんちを食べる犬もいる。うんちをしたことを隠そうとしてうんちを食べて、また叱られる、という負の連鎖が起きている可能性も。
- 注意を引く行動:うんちを食べることで人間の反応を試す、もしくは関心を持ってもらえることを知っているために起こる行動。うんちを食べていても何の反応も示さなければ解決。
- うんちと食べ物の誤認識:ご飯をうんちのそばで与えてしまうと、うんちの匂いとご飯の匂いが混ざり、うんちとご飯を匂いで判別できなくる場合も。
- 病気/老犬と一緒に住む犬:健康な犬が病気/老犬のうんちを食べることがある。これは群れの中に病気/老犬がいることを隠して外敵から群れを守ための習性、DNAに刻まれた行動と考えられている。
以下の方法で犬がうんちを食べる習慣を辞めさせることができます。
- ビタミン剤:犬がうんちを食べる原因は、栄養素が何か不足していることが考えられる。特にビタミンBが不足していることが考えられるが、他の栄養素の可能性も。
- 酵素摂取:犬の祖先の比較して、現代の犬は炭水化物が多く、動物性タンパク質や脂肪が少ない食事。パパインという、消化を助ける酵素をを含むサプリメントでうんちを食べなくなった例がある。
- 食事を変える:特定の食材を犬のご飯に加え、犬のうんちの匂いや味を変えることで犬がうんちを食べたくない、と思わせる方法。カモミール、ユッカ、パセリ等が有効。
トレーニングによりうんちを食べさせないようにする方法
トレーニングや犬の生活環境を変えるだけで、うんちを食べる習慣を改善することも可能です。
・うんちを食べる行動は本能による場合が多い
・4頭に1頭の犬がうんちを食べたことがある
・生後9ヶ月までにうんちを食べなくなることがほとんど
・食事改善、トレーニング等うんちを食べないようにする方法はいくつもある。
最後に、うんちを食べたことがあるのかアンケートです!本当に4頭に1頭の割合なのか、実際はもっと多いのか結果を楽しみにしています!
今日も最後までお読みいただきありがとうございます!ではっ。