犬が人に飛びつくことは犬にとっては自然な行動です。ジャンプをすることで顔を見て犬なりの挨拶をする、というだけでなく人の注意を引く目的で行われることも多いです。しかし人間からすると、挨拶の度に飛びつかれると迷惑ですし、時に危険な状況ともなってしまいます。他人の服を足の裏で汚してしまうかもしれません。子供やお年寄りに飛びつくことで怪我をさせるリスクもあります。特に中型犬・大型犬を飼っていればそのリスクは決して低くはありません。
犬に適切な挨拶の方法を教えることで、安全性も増します。快適な犬との生活のためにも飛びつく癖は早い段階でなおしておきましょう。
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飛びつくことで楽しいことが起きると知っている
犬が特定の行動を繰り返し行うというのは、その行動をすることで犬にとって良いことが起きるからです。そして愛犬にとって、飼い主であるあなたの注意を引くことほど楽しいことは多くはありません。同様に、あなたの家族や友人、来客、時には知らない人の注意を引くことも、犬にとっては嬉しい出来事です。今まで飛びつきに対し、遊んであげたり撫でてあげるなど好意的な反応をしたことで、飛びつく=楽しいこと、というメッセージを送ってしまっています。
飛びつくことで人間が怒ったり、手や口を掴むことさえ犬にとっては注意を引くという目的を達成しているのです。飛びついたら人間が押し返すことで、多くの犬にとっては遊びの1つと認識していることでしょう。
子犬が飛びついてくるのはとても可愛いですよね。ですがどこかでそれを辞めなければ飛びつきの癖がついてしまいます。
飛びつきを辞めさせる手段は相手にしないこと
犬の挨拶の方法の1つ、飛びつき。やめさせる理屈はシンプルです。飛びつきにより何もご褒美をもらえないし、良いことが起こらないようにすれば良いだけです。愛犬が飛びつく機会を極力減らすために、ジャンプに代わる適切な挨拶の方法を教えてあげましょう。
愛犬が飛びつきをした時に、あなたが何の反応も示さなければ、理論的には犬は飛びつくことを止めていきます。犬にとってこの行動は何も楽しいものではなくなるからです。ただし当然ながらあなたの友人、来客、公園であった人の全員が、飛びつきを無視してくれるわけではありません。そして、飛びつきを無視されるということは犬にとってはとてもイライラさせられることです。挨拶をしているのに無視されているわけですからね。なので別の挨拶の方法を教える必要があります。
飛びつきに代わる挨拶の方法を犬に教える
あなたが愛犬にどのような方法で人間に挨拶をさせたいかは飼い主であるあなた次第です。例えば、”おすわり”や”ふせ”を犬の挨拶として教えることも可能です。もしくは人の横に座らせたり、”タッチ”というトリックで人の手に挨拶させることもできます。挨拶を教える際に注意しなければいけないことは1つのみ。してはいけないことを教えようとするのではなく、何をすべきかを伝えることが必要ということです。挨拶のために”おすわり”をすることは飛びつくよりも簡単でシンプルです。
犬の挨拶としてのアクションをどうするかは飼い主であるあなた次第。犬の足が地面から離れなければokとしても、”おすわり”や”ふせ”の姿勢を教えることもできます。
簡単7ステップで飛びつきを辞めさせる(2人以上で行う)
まずはシンプルに飛びつきを辞めさせる方法を紹介します。
犬に挨拶を教える方法は以下の7ステップ。犬の足が地面を離れる前、飛びつくことを犬が考える前におやつを与えることで、犬の飛びつきを防ぎます。
- リードを愛犬につけた状態で誰か(以下Aさん)に犬に向かって歩いてきてもらう。
- Aさんが愛犬の元へ来る前に、おやつをいくつか床に落とす。
- 愛犬がおやつに夢中になっている間に、Aさんが愛犬のもとへ行き挨拶(撫でたり名前を呼ぶことで注意を向けていることが伝わればok)をする。
- 愛犬がおやつを全て食べ終えるまでに、Aさんに引き返してもらう。
- 上記を何度か繰り返した後、Aさんが引き返すまでの時間を徐々に伸ばしていくと同時におやつを落とし続ける。
- 愛犬が立たずにいられるようになったら、Aさんが犬のもとへ来てからおやつを床に落とすようにする。
- 愛犬が一連のルールを理解したら、おやつを減らしていき最終的にAさんが犬の元へ来て遊んでもらえる、ということがご褒美とする。
ポイントはすぐにおやつをあげられるようにしておくこと。犬が飛びつく予兆を把握して、飛びつく前にすぐにおやつを落としてください。おやつをあげるタイミングが遅くて、愛犬が飛びつこうとしてしまったらおやつを回収して、Aさんには引き返してもらいましょう。繰り返すことで犬は4本足の全てが床についていると、人間に構ってもらえることを学びます。また、飛びつきをしても何も良いことがないと理解していきます。
”おすわり”を犬の挨拶の方法として教えることもできます。基本的なアイディアは上記と一緒。犬のお尻が地面についていたら人間に構ってもらえ、起き上がると何も起きなくなる、ということです。”ふせ”を挨拶とする場合もやり方は同じです。
1人でできる挨拶としての”おすわり”の教え方
- 愛犬をドアノブや家具等、動かないものに繋げます。
- 数メートル離れ”おすわり”の指示を出します。おすわりをしている間、ゆっくりと犬に近づいていきます。犬が立ち上がったら初めのところまで戻り、もう一度”おすわり”の指示を出します。座り続けていられたら、静かに犬を褒めてあげましょう。座り続けている限り、犬に構ってあげ、立ち上がったらその場を離れます。
- 愛犬が、座っていたらあなたの注意を引ける、と理解すれば少しずつあなたのテンションを上げながら犬に近づくようにしてください。
- あなたとの挨拶(注意の引き方)を愛犬がマスターしたら、家族や友人と上記を行ないます。
”おすわり”をはじめからマスターしていることが前提条件
”おすわり”の訓練をたくさんしている犬ほど、挨拶や注意を引く手段としの”おすわり”も身につきやすいです。気分次第で”おすわり”をしたりしなかったりと、まだ”おすわり”が完璧ではない段階では上記のトレーニングはあまり効果は期待できません。
トレーニング中の過ごし方も重要
新しい方法での挨拶を教えている期間は極力、犬がジャンプする隙を作らないことが大切です。例えば、郵便配達等の来客があった際は室内でもリードに繋げておく、もしくは扉を閉められる場合は閉めて、玄関で人に飛びつかないようにします。
もう1つ私がおすすめしている方法があります。それは玄関におもちゃやおやつを用意しておくことです。来客があった際に、おやつやおもちゃを投げ与えることで、犬の意識を来客から逸らすことができます。人に飛びつかずにいられたらご褒美としておやつ、おもちゃを与えることも可能です。
散歩中の飛びつき癖をなおしたい
家に人が来た時は困っていないよ。散歩中に人に飛びつくから困っているんだよ。そんなケースが多いかと思います。もちろん見知らぬ人があなたがどのように愛犬のしつけをしているかは知る由がありません。まずはあなたの家族や友人と新しい挨拶の方法や、注意の引き方を身につけるまでは極力、見知らぬ人に構ってもらうのは避けるのが1番です。愛犬がすれ違う人に飛びつこうとするならば、おやつやおもちゃで犬の気を散らしてください。
もし愛犬に”こっち見て”のコマンドを教えていれば、愛犬が飛びつく対象や吠える対象を見つけたら、”こっち見て”コマンドで犬の注意の方向を逸らせます。”こっち見て”コマンドがまだであれば”タッチ”も有効です。”タッチ”は”おすわり”を教えるよりも簡単なので、まだ習得したいない場合はトレーニングすると今後が楽になるはずです。
ステップアップはドッグランが最適
家族への飛びつきがなくなったら次のステップ!見知らぬ人への挨拶を学ばせたい時は、ドッグランへいくこともおすすめです。ドッグランでは当然ですがそこにいる人の殆どは犬を飼っています。そのため、しつけトレーニングにも理解があるので、「もし愛犬が飛びついたら無視するようにしてください」とお願いしてみましょう。もちろん必ず無視してくれるかは分かりませんが、散歩中に見知らぬ人に飛びつくより安全にトレーニングできます。
・挨拶として、もしくは構って欲しく犬は人に飛びつく
・やめさせる方法はシンプルに無視をすること
・怒ることや、押し返すことでは飛びつきがなおることを期待できない
・飛びつかないことで良いことが起きることを犬に教えることが大切
・友人の手助け上がるとしつけが楽になる
犬の問題行動で悩む人は多くいます。中でも中型犬・大型犬を飼っている方としては飛びつきは絶対になおしたい行動かと思います。
クリッカーを使うことで、散歩中に飛びつかなかった瞬間を”クリック”して、飛びつかないことにご褒美が出ることを強く犬に印象付ける方法もあります。とても便利な上に安いので、”クリッカー”は本当におすすめです。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます!ではっ。