全てのしつけやトレーニングは良い行動を誉める、という基本に基づいていることが大切です。つまり、良い行いをすれば褒めてご褒美を与えるということ。人も犬も、自分に良いことが起きる行動を繰り返すものです。飼い主が望行動を愛犬ができた時に、ご褒美を与えることで、その行動を繰り返し行うように誘導していきましょう。
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しつけにおいて、リードを強く引いたり怒鳴る必要はありません。罰を与えることは犬を混乱させ、何を指示しているのか分からなくさせるだけです。特にしつけをはじめたばかりの頃は、愛犬はあなたが何をしてほしいのかを理解できていません。教えていないことをはじめからできるとは期待しないでください。それは自分の子どもに教えもしないで自転車を乗りこなすことを期待するほど無茶なことです。
しつけトレーニングにおいて誉めることが重要
良い行いを褒めるために使うものは、愛犬が好きなものであれば何でも構いません。1番わかりやすいものは、ご褒美用のおやつです。ですが、おやつだけでなくお気に入りのおもちゃや、いつも以上に褒めてあげること、撫でてあげることも犬にとっては嬉しいはずです。ご褒美におやつを貰える時にしか指示を聞かない、となっては意味がありませんの。なので「すごいねー」「かしこいねー」「よくできたね!」といった褒め言葉を愛犬が嬉しいと思えるような関係性を築き上げることが大切です。とはいえ、おやつが多くのシチュエーションにおいて簡単で安上がりな褒め方で有ることには事実です。
子犬の時期には1日にあげられるおやつの量もあまり多くありません。最初の頃はドッグフードをおやつ代わりとして使うことも経済的でおすすめです。
子犬を迎えてしつけを開始するまでの期間は?
子犬のしつけ、トレーニングはいつから始めれば良いの?何ヶ月たったらしつけを覚える?
よくある質問ですね。答えはシンプル、家に来たその日からはじめてください。通常早くとも生後8週間、約2ヶ月経過してお家に迎えられます。場合によっては3ヶ月やそれ以上経ってる場合もありますが、生後8週間経てば新しいことやルールを覚えるのに充分です。
ただし、最初の頃は1回のトレーニングは5分から長くとも10分までにしてください。そしてトレーニングを終わるときは常に犬がポジティブな感情をもって終わるようにして、たくさん褒めることを忘れずに。集中してトレーニングに取り組んでいるからと長い間トレーニングすることはやめましょう。集中してるときこそなるべく早くトレーニングを終えることで、子犬にもっとトレーニングしたい!と思わせるチャンスにしてください。長くやりすきて、子犬がトレーニングに飽きてしまったり、もうやりたく無いと、ネガティブなイメージをもつことを1番さけなければいけません。
- 子犬の横に座り”来い”、”おいで”などの決めた合図をだします。
- 合図を出してすぐにおやつをあげます。この段階では子犬は何もしていなくてok!合図をだしておやつを上げる、を繰り返してください。
- おやつをあなたの近くに落とします。子犬が床のおやつを食べ終えたら、”来い”と決めた合図を出します。合図に反応してあなたを見たら、さらにおやつをあげます。
- 何度か繰り返した後、床に落とすおやつを少しずつあたなたから遠ざけていきます。子犬があなたを見ないからと何度も合図をだすことは絶対にしないでください。何度も指示をだすことで、子犬は無視をすることを覚えてしまいます。子犬が床のおやつを食べたあとあなたの顔を見ないようであれば、おやつが遠すぎるかもしれません。確実にできる範囲で練習していきましょう。
- 子犬があなたの顔を常に見るようなったら、次は実際にあなたのところへ戻ってくるように、遊びながら教えます。おやつを落とした後、合図をだすと同時に数歩下がります。子犬は追いかけっこ好きなので、楽しみながらトレーニングできます。
- 子犬があなたにおいついたら、今までより多くのおやつをあげます。おもちゃで遊んであげるのも良いです。とにかく、あなたのところに来ることが楽しいことだと印象付けることがポイントです。この遊びを少しずつ距離を伸ばしたり、いろいろな場所で行ってください。屋外で安全なところがあればロングリードを使い、練習してみましょう。
繰り返しですが、子犬が合図で戻ってこれないときは何度も指示を出すのではなく、できる範囲までレベルをさげることが成功の秘訣です。
子犬の呼び戻しトレーニングの注意点
子犬があなたのもとへ来たときにしてはいけないことは子犬を捕まえることです。この行動が子犬に混乱をさせたり、恐怖を与えるかもしれません。
罰を与えるために呼び戻しの合図を使わないようにしてください。合図をだしても良いことが起きるか悪いことがおきるかは分からない、となれば犬は合図よりもおもちゃ遊びを優先するようになります。子犬が指示をきいたら良いことがあると刷り込むことを意識しましょう。
犬を呼んでもこない!?”おいで”の教え方と呼び戻しの重要度たかが散歩、されど散歩。練習することで散歩が楽になる!
リードをつけて歩く練習は軽視されがちです。屋外での問題行動の多くは散歩中に起きるもの。引っ張り癖にしても、人や自転車を追いかけようとするのも散歩中ですね。いきなり外で散歩してうまくいく、なんてことはまずありえません。練習なしに本番ですから失敗して当然です。多くの人はその本番の中でリードの引っ張り癖を直そうとがんばりますが、まず室内でリードを引っ張らず歩く練習からはじめることを強く強くおすすめします。
この記事では散歩の合図を紹介します。具体的に言うと歩き方を指示するコマンドです。”ヒール”や”つけ”、といった、飼い主の横にピタッとくっついて歩くような厳しい歩行指示の合図もありますが、ただ散歩するのにそこまで厳しいものは必要ありません。
私は”行くよ”や”歩くよ”というのを、合図にするようにすすめています。
6ステップで練習!屋内から始める散歩の練習方法
- まずは犬にリードを慣れさせることから始めます。はじめてのリードで子犬は違和感を感じているはずです。リードをかじったり、引っ張ったりする子も多いです。リードをつける度におやつをあげるようにしましょう。
- リードを緩めにつけたまま、子犬があなたの隣に来るようにおやつで誘導します。
- 一歩進み、子犬があなたについてくるようにおやつを使って誘導します。
- 続けておやつを与えながら歩きます。子犬の顔があなたの膝辺りもしくは少しうしろに来るようにおやつを与えます。
- 子犬があなたの前に出てきたときは、ただただ後ろ向きに歩き始めてください。過度なリアクションは子犬に遊びだと勘違いさせてしまいます。少しずつおやつを与える頻度を減らしていきます。はじめは2歩3歩ごとにおやつを与えてください。多すぎると思うくらいが丁度良いです。慣れてきたら、”行くよ”や”歩くよ”等の決めた合図を出すようにします。
- 続けることで最終的に、子犬はリードをつけてあなたの横を歩くことを楽しみようになります。実際に外で散歩する時は、様々なものの匂いを嗅ぐ時間を十分にあたえてください。子犬の時に多くの刺激に触れることは社会化の時期には必須です。十分な時間を与えたら決めた合図をだして歩くポジションに戻らせるようにします。
散歩に関しては下記記事でも詳しく紹介しています。
愛犬が散歩で歩かない時の対処法と子犬の社会化トレーニングおすわりを教える方法は2つあります。どちらもシンプルかつ簡単。
おすわりの教え方その①子犬がすわるのを待つ
- おやつをもって子犬の前に立ちます。
- 子犬が座るまで待ちます。座った瞬間にクリック、もしくはそれに代わる言葉を言っておやつをあげます。
- 後ろか横に数歩動いて、子犬が立つように促し、また座るまで待ちます。
- 子犬が座ったらすぐにおやつをあげます。
- 何度も繰り返し、子犬が理解し始めたら、座る直前に”おすわり”等決めた合図を出すようにします。
おすわりの教え方その②おすわりのポジションへと誘導する
- おやつを持って子犬の前に立ちます。
- おやつを子犬の鼻の前で持ち、少しずつ子犬の頭の上をめがけて持ち上げます。おやつを見上げる姿勢になるためにおすわりの姿勢になるはずです。
- おしりが地面についたらおやつをあげてくだい。
- はじめの数回、おやつを使っておすわりの姿勢へと誘導します。その後は手に何も持たず、同じ動きでおすわりの姿勢へと誘導します。できたらおやつをあげます。
- 手の誘導でおすわりすることを子犬が理解したら、口頭で”おすわり”と指示をだしてから手でお座り姿勢へと誘導するようにします。
ふせは、おすわりと同じような方法で教えることができます。
ふせの教え方その①子犬が”ふせ”をするまで待つ
- 子犬の前に立って、犬が伏せの姿勢になるまでまちます。脱衣所のような狭くて、退屈な部屋で行うとふせの態勢になりやすいです。
- ふせの姿勢になったらおやつをあげます。
- 移動したり、場合によってはおやつで誘導して子犬をたたせます。その後また、伏せの姿勢になるまで待ちます。
- 子犬がふせの姿勢になる前に”ふせ”と合図をだし、伏せができたらおやつをあげます。
ふせの教え方その②”ふせ”のポジションへと誘導する
- おやつを持った手を子犬の鼻の前からゆっくりと地面まで下げていきます。
- 最初のうちは子犬の肘が地面についたらおやつをあげます。
- 何度か繰り返したら何も持たず、空の手でふせの姿勢へと誘導します。ふせができたらおやつをあげてください。
- 空の手で誘導しておすわりができるようになったら、手で誘導する前に口頭でふせと合図をだすようにします。
おすわり同様、むりやり伏せの姿勢をさせようとしないようしてください。
犬の伏せの教え方 5ステップで簡単しつけ!コツは遊びにしつけを取り入れる待てのトレーニングを終えた子犬は次の合図があるまでおすわりや伏せの姿勢でいられるようになります。次の指示があるまでは何もしないことを教え、少しずつ距離を伸ばして待てをできるようにします。
- はじめに、”ok”や”良し”など、”待て”を終わらせる(動いても良い)合図から教えます。
- 子犬の隣に立ちおやつを床に落とし、子犬が動き始めると同時に上記の決めた合図を出します。子犬の姿勢は立っていても座っていても構いません。
- 何回か繰り返したら、合図を先に出すようにします。子犬が動き始めてから、おやつを床に投げてください。この練習で合図=動いても良いと認識するようになります。
- 子犬が動いても良い合図を覚えたら次のステップ。伏せ(おすわりでも可)をさせて、あなたの体の向きを少し変え、すぐに正面にもどりおやつをあげます。
- 少し時間を空けて、ふせの姿勢のままだったらさらにおやつをあげて、まてを終わらせる合図を出します。
- おやつをあげるまでの時間を徐々に長くしていきます。
- 子犬がまてを終わらせる合図の前に動いてしまっても心配しないでください。まだ長く待てる段階ではないので、ふせの時間を短くして何度も練習しましょう。
- 子犬が数秒〜10秒ほど待てるようになったら、少しずつ距離をあけていきます。
- 上記までの練習に慣れてきたら、ふせをさせたらすぐに”待て”の合図を出すようにします。一歩下がり、子犬のところへ戻っておやつをあげます。
- 少しずつ下がる歩数を増やしてみましょう。ただし、いきなりハードルを上げてはいけません。確実にできる範囲で距離を伸ばしてきます。最初のうちは子犬を向いたまま後ろへ下がるようにしますが、待てをある程度できるようになったら、子犬に背を向けて歩いてみましょう。繰り返しになりますが、子犬が”まて”をできる範囲内で行うことが重要です。
確実に”まて”ができるようになるコツ
”まて”を短い距離で確実にできるようになったら、あとは少しずつ飼い主との距離を伸ばしていく練習です。いきなり長い距離、長い時間で指示を聞いてくれると期待してはいけません。根気強くトレーニングする気持ちでいてください。失敗の経験を極力減らして、成功する範囲で何度も繰り返すことが次のステップへの近道です。
おすわりでの姿勢ではなくふせの姿勢で練習することが望ましいですが、おすわりの方が得意な子犬であればおすわりの姿勢で練習してください。
楽しみながらトレーニングすることで習得は早まる
子犬の時期に行う全てのトレーニングは短く楽しいものにしてください。
そして子犬がトレーニングを楽しんでいるうちに終わらせてください。「意欲的で飽きてない今のうちにたくさんトレーニングしよう!」ではなく、楽しんでいるからこそ途中で終わらせて、トレーニングの時間は楽しく、トレーニング自体がご褒美と思わせられるぐらい、前向きな気持ちにさせましょう。
今日も最後までお読みいただきありがとうございます!ではっ。